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ひねくれ者の、
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「で、二葉も俺になんか聞きたいことあったんじゃないの?」
「え、ああ、」
話の切り替えの速さに戸惑うも何とか返事をする。
そうだった、俺の話も聴いてもらいたかったんだ
小森の話の衝撃で忘れてた…
俺は最近の金井と、この間のやり取りについて簡単に小森に説明した。
、
「うーん、なるほどね」
「どう思う?」
一通り話を聞き終わった小森が首を捻る
あんな不安定な金井は初めてだったから俺はどうしたらいいか分からない。不安気な金井なら、前に海で見たことはあるけど…
「なんて言うかそもそもの翔太の認識に違いがあると思うからそこからの話になるけど」
「??」
「俺の中の翔太ってヘラヘラ笑ってて何も考えてないようで色々考えてるやつだと思うんだよね。それに不器用。あいつ、カッコつけしいだけど全然かっこよくないし。ああ、まあ顔は綺麗な方か。」
「えと、」
つらつらと並べられる言葉たちに少したじろぐ
これは金井の事言ってるんだよな?
たしかにヘタレな部分はある、と思うけれどそんなにか…?
「あくまで俺から見た翔太、だけどね。結局さ、俺らは自分から見える側面の翔太しか知らないって話。俺が知ってる翔太も二葉が知ってる翔太もなにも間違いじゃないと思う。」
確かに、そうだよな。
俺だけが知ってる金井はいるし、長く付き合ってた小森が知ってる金井もいるよな。
「でも、深い仲…それこそ恋人って関係だったらかっこつけたいと思うし余すことなく知りたいとも思う…でも、大切だからこそ知られたくないこととかはあると思うんだよ。」
「小森も…?」
「うん、まあね。ほら言ったでしょ、うちの彼女、腐女子だって。やっぱり俺には知られたくなかったみたいで話し合いはしたかな〜」
「なるほど」
恋人だから言えないこともある…か
「ま、とにかく翔太なんて二葉が押し倒しでもしちゃえばイチコロだと思うけどね、なーんて」
「お、押し!?」
「冗談だよ冗談!そんな顔されるといじめたくなっちゃうからやめて〜」
俺、相談相手間違えたかな…
小森ってホント爽やかで常識人っぽいのに、なんていうか…
「ちょっと、今失礼なこと考えてない?」
「え、いやそんなことない?そ、そういえば、さっきも運動部だったって、何やってたんだ?」
「ん?高校まで剣道」
「なんで、やめちゃったんだ?」
聞いてからもしかしたら聞かなかった方が良かったんじゃないかと考え始める。
さっき人には言いたくないこと云々って話してたのに俺は馬鹿か…
最近金井とか佐伯のアホっぽさが移った気がする
俺があたふたしてるとそれを見かねた小森が口を開いた。
「…俺はさ、これ以上は無理だって線引きしちゃうんだ。これ以上は上には進めないって。だから、すぐ諦められる。剣道もそれ。これ以上はないなって思ったから。」
「そう、なのか。」
運動とかそういうのと比べたら失礼かもしれないけど何となく俺と似てると思ってしまう。
「うん、でも翔太はそういうのできないんだよ。ずっと引きずるし諦めてるようで全然諦めない。ほんと負けず嫌いっていうかなんていうか…だから、俺からしたら翔太のそういうところ眩しいと思うんだよね」
「…。」
「だから、俺は翔太と二葉なら心配いらないと思ってるよ。翔太は本気になるなんて初めてだから、どーせ不安なだけだよ。あいつほんとバカっていうか不器用っていうか」
はあ、と呆れてそう言う小森にホッとする。
「二葉がどうにかしたいと思うなら、素直に伝えてみればいいと思うよ。ど?何とかなりそ?」
「あぁ。助かった。ありがとう」
「どういたしまして、じゃもう少し俺に付き合ってくれる?」
「ん?ああ、いいよ。まだなんか食べる?」
あんなに食べたのにまだお腹すいてるのか?
このあとの予定もないし答えると、
「あ、いや。そうじゃない。」
「??」
目を泳がし始める小森
さっきまで真面目な顔してたのに急になんだ?
「あー、くっついてる写真とか、撮っていい?」
「は?」
「いや、ほんとごめんなんだけど…」
小森の話によると男友達と会うことを彼女に告げると、同人誌?のネタに使いたいからたくさん写真を撮ってきてくれと頼まれたらしい
なんていうか、小森も大変なんだな…
「俺でよければ付き合うよ」
「悪い、本当ありがとう」
溜息を吐く小森が胃を抑えるのが見えた。
本当、お疲れ様
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