アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ひねくれ者の、※
-
耳を澄ませば聞こえてくるトクトクという金井の心音
すごく、安心する。
落ち着いてきた頭で本当にこれで良かったのか、と考え始める
金井の不安を取り除くためにした事なのに、
何故か自分の方が満たされてる
本当に綺麗なんかじゃないのに、綺麗なんて嘘までつかせて
『俺は伊澄さんに嘘つかないよ』
わかってる。知ってるよ、ちゃんと
でも、そうじゃない。
俺は本当に貰ってばかりで、それを返すこともままならない
ひねくれたこの性格では素直に答えることすらできない
俺だって、お前に何かしたいんだよ。
いつも空振るけれど…
ふと、違和感を感じる。
「…なあ金井」
「伊澄さん、これは仕方ないことなんだよ。」
「お前…」
「だから!仕方ない事なんだって!やめて、それ以上言わないで俺もほんと馬鹿だなとは思ってるんだから」
ダラダラと汗を流して焦る金井
…ちょっとよく分からない。
「お前、なんで勃ってんの…」
「言わないでって言ったじゃん!しょうがないじゃん!!年頃の男にはよくある現象じゃん!!!!」
俺の違和感、それは下半身に当たっている金井のソレ
いやどこに勃つ要素があった?全然わからん…
俺は鼻をすすりながら金井を見下ろす
膝の上に座ってるから内腿に当たるんだよな
金井は必死に俺と視線を合わせないように明後日の方を向いていた。
それ以上は何も言わずに眺めていると、視線に耐えかねた金井が喚く
「だって!そりゃ雰囲気とかそういうのも大事だけど、自分の好きな人が俺の膝の上で裸なんだよ!?いやもう元気になるに決まってるじゃん!!!」
ヤケクソだとでも言うようにぶちまけられた言葉
そういえば、いま十二時はとっくに過ぎてるんだよな。
そんな大声出していいのか?と他人事のように思った
「…っていうか、前から気になってたんだけど、伊澄さんなんでキスとか付き合うとか恋人とかって単語には照れるのに勃つとかはサラリと言うの、俺はもうわかんないよ」
「俺はお前の下半身がわからん」
少し足を動かせばビクリと身体を揺らして息を詰まらせる金井
あ、これ結構面白いかも
「っ!?わざとやってるでしょ!!」
「さてな、」
「ッ〜!!伊澄さん、ちょっと、いい加減にして」
あ、まずいやり過ぎた。
そう思うも時すでに遅し、
謝る隙も与えられぬ間に口を塞がれる
直ぐに息がもたなくなり驚きできつく結んだ唇を緩めれば
それを見逃さない、というように舌を差し込まれた。
苦しくなって酸素を求め口を開けば言葉にならない音が漏れる
「ン、っは、ぁ…」
「、…、」
自分のものとは信じたくない高い声と、全く乱れる金井の息遣いに羞恥心は煽られる。
唇が離れたかと思えばまた一息つくまもなく塞がれ時間の感覚が狂っていった。
何分そうしていたのだろう、
体感では数十分そうしていた気がするけれど、きっとそんなに経ってはいないのだろう
「はっ、…ば、か」
「うん、ごめんね伊澄さん」
零れた涙で滲んでいた視界が少しクリアになる
ごめん、とはどのことか考えるまもなくグリッと突然の快感に呼吸を忘れる
「ひっ、なっ、に…っ」
「でも気持ちいでしょ、これ」
「っ、や、…っ」
ズボンの上から触れられれば内側から波打つような快感がおしよせる
声が漏れそうになり咄嗟に片手で口を塞いだ。
気持ちいい、と感じるそれから逃げるように腰を浮かせばバランスが取れなくなり震える片腕で金井の肩にしがみつき身体を支える。
「ふっ、ん、ん、」
「声、我慢しなくていいのに。」
「っ、ん」
耳元で囁かれればカッっと頭に血が上るのを感じる、顔も、身体も、熱い。
フルフルと必死に首を横に振れば「かわいい、」と笑われる
けれど硬いジーンズ生地の上からではどうしても刺激が足りない
緩い刺激を繰り返されてもっと、と思う気持ちと残った理性が鬩ぎ合う
そんな思考も金井の一言に簡単に塗り替えられる
「伊澄さん、もっと気持ちよくなりたくない?」
もっと、気持ちいいこと。
それが何を意味するのか、何処までを意味するのか
本当はもっと考えることがあるはずなのに
俺は気がついたら頷いていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
103 / 302