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「は、はい」
「後ね、もし観月の屋敷でこの話を聞いた人がいるなら僕が口止めしてるって伝えてね」
「はい!」
「じゃあ、もう行っていいよ」
「失礼しますっっ」
魅於の言葉をきっかけに侍女達は逃げるように去っていった。
侍女達の足音が聞こえなくなったぐらいに魅於は襖を閉め戻ってきた。
表情は先刻と比べて柔らかくなっていると思うけど、それでもまだいつも通りには程遠かった。
俺の隣に腰を下ろしてからは、何か小さな声で呟いていたけど、最後には何かを決意したような表情になり俺の顔を見た。
「都椰ちゃん」
「な、に?」
「今晩告白しよう!!」
「なん、で?」
いきなり魅於の言葉に俺は驚いた。先刻の出来事から何故そこに行き着いたのか全く理解できなかった。
「だって、都椰ちゃん湖が結婚したら嫌でしょ?」
「うん」
「じゃあ、今晩告白して湖を自分のものにしちゃえっっ」
「でも、おれ、種族も、違う、し、身分も、全然、釣り、合わな、い………」
「何言ってんの!?そんなの全然問題じゃないよ!!」
と少し起こった顔で強く魅於は言った。
でもすぐに悲しそうな顔になって言った。
「…………………僕と斎も身分が違うじゃない?だから、僕と付き合い始めた頃、斎が他の使用人に嫌がらせされてね………だから俺、斎に別れようって言ったんだ。そしたら斎がね言ったんだ。『気にすることはありません。一番大切なのはお互いがお互いのことが大切で、一緒にいることなんです』って……………………だから、身分のさとか種族の違いなんか気にすることなんかないって僕気づいたんだ。………都椰ちゃんも一緒なんだよ?身分の差や種族の違いなんて気にすることないんだよ」
「でも、俺と、湖は、気持ち、が通じ、合って、いる、訳じゃ、ない、し……」
魅於の優しい言葉が心に染みて、少し泣きそうになってしまった。でも、魅於の話しは気持ちが通じ合っている者同士の場合だ。
だけど、俺たちは違う。
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