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脅威
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グルッペン視点
オスマンの横に現れた男...。どっかで見たことがある。
「お前...どこかで...」
そう呟くとトントンが男に
「君は"脅威"じゃない?戦闘技術が高く、今まで任務に失敗した事がないとか...」
と尋ねた。
そうだ!トントンから渡された資料に書いてあった。噂でも聞いたことがある。だが...
「その"脅威"が、何故そんな姿に?」
先程トントンが言ったように"失敗した事がない"と噂されている。では何故、これ程にまで怪我をしているんだ?
男は口を開こうとしない。オスマンの服の袖を掴んでいる。オスマンだけ信用してる感じか…。
「話してもええんちゃう?
悪い奴らじゃないで」
とオスマンが優しく言う。"脅威"と呼ばれた男はオスマンを見る。しばらくして、男は俺の方を向き、ゆっくりと口を開いた。
「俺の名前はゾム。"脅威"じゃなくてええで?スラム街育ちで、小さい頃から争いごとに巻き込まれてた。だからか強いって言われる。...俺は拾われたんだ...この強さを欲した"アイツ"に...。拾われてからも戦わされた。でも、いつからか...戦うことが楽しくなった。一日中、訓練に没頭してた。だから、任務に失敗した事が無かった。...でも今日...任務に失敗したんや。」
ゾムはゆっくりと話す。最後の方は消えそうな声で。
「敵のナイフが当たって動けなくなりそうだった...それでも、やっとのことで帰ってきたのに......こっぴどく叱られた。」
だんだん目に光が無くなっていく。
思い出したくなかったのだろう。
オスマンも気づいたらしく、ゾムの頭に手を置く。
「辛かったな...」
俺は言った。話を聞いて、怒りが湧いた。ゾムを、ゾムの気持ちを踏みにじった奴らに...
「グルさん、落ち着いて」
トントンにそう言われ、我に返る。
「っあぁ。そうだな。すまない」
オスマンが少し笑った。そして、
「俺はゾムを仲間にしたくて連れてきた。ゾムも入りたいと願ってる。これは入れない訳が無いやろ?」
と言ってくる。
確かに...ゾムが望んでなかったら入れない。だが、ゾム本人が入りたいと願ってるのであれば、是非とも入れたい。俺は覚悟を決めた。
「ゾムが入りたいのならば、歓迎しよう!」
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