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「お、落合。お前…。ど、どうした??」
目を丸くする我妻に、忠犬は複雑な気持ちで持ってきた書類を見せる。
「仕事ですよ。はい、これ。我妻さんのOKが必要でしょ??」
…内心、悶々とする部下に我妻は書類を受け取る。
「あ、ああ…。…うん。お前にしちゃ上出来だな。後でハンコを押してやるから、俺のデスクの上に置いといてくれ。」
「…わかりました。」
無愛想に告げた部下は、そのまま我妻の向かい側…数分前まで赤沢がいた席に腰を下ろす。頬杖をつき、まじまじと上司を見据える。
「な、何だよ。見てわかるだろ、俺は今、食事中なんだぞ。」
「気になっている人が飯食っているところって、すっげぇ官能的ですよね。」
「な゛ッ!?」
我妻の操っていた割り箸の先から、白飯の一口分がぽとりと茶碗に逆戻りする。
「バッカ、お前。…誰かが聞いていたらどうする気だ!!」
「…赤沢とさっき何話していたんですか??」
「!!」
我妻は一瞬怯んだ表情を見せ…観念した風に箸を皿の上に置く。それから、彼は心底意地悪に犬歯を見せて笑った。
「…別に。気になるのか、お前。」
かくん、と小首を傾げる年上の男は、生っ白い首筋を晒して嘲笑する。
「そうか、そうか~。…お前、俺と仲良く喋っていた赤沢に、嫉妬しているんだ??」
ヤキモチ焼き、と派手に吹き出す年上の男に、落合ははっきりと答える。
「そうですよ。…あなたを奪われたくなくて、自分でもびっくりするくらい妬いています。」
互いを包む空気が、ビリビリと緊迫感を帯びる。不意に、我妻が顔をそらす。
「我妻さん、俺を見て…。」
落合が年上の男の肩を掴み、強引に正面に戻す。我妻は、『あ…っ』と上擦った声をあげる。
恐る恐る、という体で落合を見上げる男は…双眸を潤ませ、耳まで赤くしていた。
「…我妻さん??」
我妻は急いで部下の手を取り払い、そっぽを向く。
「お、おお、お前が!!お前が急にド直球で変なこと言うから!!言ったから、こうなったんだよ!!お、おお、俺は別に…っ!!」
「我妻さん!!」
落合は上司の腕を再び捕らえ、前のめりになって二人の距離を縮める。真っ向から部下は、強請る。
「…めっちゃかわいいです、我妻さん。」
「だか…っ、変なこと言うなって!!俺は別に…っ」
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