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★★★★★★ 君が悲しみに泣き叫んだあの夜も、どこかの誰かは愛に癒されていたんだって、 ☆☆☆☆☆☆
★隣人を愛せ
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★隣人を愛せ
おかえりって玄関のドアを開けられました。ただいまって返すけど僕の借りてる部屋はそこじゃないです。もういっこ奥です。でも玄関全開だし閉めてくんないと通れないし、このドアを閉めると同時にぼくは中に招き入れられます、っていうか引きずり込まれます、まず精神的に。鉄壁の笑顔の前にぼくはなす術もありません。
隣人のサカイさんは在宅仕事のお兄さんです。爽やか系。一方ぼくはフリーターで、なんとかせっせと毎日を生きてます。地味です。しがないです。なんの変哲もないぼくを何故かサカイさんはやたら構ってきます、肉体的に。
ちゅーとか。
女の子とすらしたことないのに、舌までねじこまれるのは日常茶飯事です。そんなことをされたら腰のあたりがずきゅんってきて、ベッドに押し倒される力の強さとか首筋に感じる息遣いとか、やばいです。くらくらします。意味わかんない。ぼくってそんな性癖あったんでしょうか。
今日は最後までしようねとサカイさんは言います。最後ってなんすか、どういうことっすか。いやさすがにぼくもバカじゃないんでこういうことの行き着く先くらいなんとなく知ってます。知ってますが、え、本当にやるんすか、なんでぼくなんですか、ぼくなんかで本当にいいんですか。みたいな。
「……っあ、」
「気持ちいい?」
どうして。
服の上からこすられただけで乳首が感じるのか。わかんないです。こんなん知らないです。ていうか知らなかったです、サカイさんにされるまでは。
最初はただくすぐったかっただけなのが、ほぼ毎週触られるようになって、今じゃ。
「……っ、ふ…っ、あ」
「なんですぐ可愛い声出すかなぁ」
「だ、出してませんっ、んん……っ」
これだけで身をよじるほどに。
ちんこしゃぶられるのも慣れました。慣れないけど。ぬるぬるで熱くて気持ちいいです。こういうことは女の子にされたかった。はかない夢でした。
「な、なんですか、それっ、」
「え? ローション」
サカイさんは当たり前の顔して僕をほどいていきます。ほぐしていきます。
最後ってやっぱり、こういう。
「あ、………っ!」
挿入的な。結合的な。
入ってくる。あ、やば、なんか、思ってたより、身構えてたよりこれ、きつい。押し込まれる。苦しい。ちょっと痛い。のに。
「ま、待って、待ってえ、あ……………!」
「あれ、挿れただけでイッちゃった?」
「………………! ご、ごめんなさ、あああっ」
「初めてだよね?」
「んは、はじ……めて、…………っあ、待って、待って、」
イッてるのに出してるのにズクズクと揺り動かされて、なんか出しきってもまだ止まらなくて苦しいです。なにこれ。こんなの知らない。
「っ、う、やあ……あぁあ……待ってえ、やだあ、ん、んふっ、んんうっああ、」
「あー駄目だ。……止まんないごめん」
「んん、や、やです、やだ、あああっ!」
脚を開かされて、激しく抜き差しされるとわけわかんなくなります。シーツを掴むので精一杯で、さっきイッたばかりなのにまたお腹の下とか腰らへんがぎゅうってなります。
「あ、あ、あっ、……っ!」
もう、なにがなにやら。
「な、……殴っていいですか」
「そんなんで気が済むなら、どうぞ」
涼しげな顔をしてサカイさんはコーヒーに口をつけます。朝からCMにそのまま出演できそうな絵面。
かたや僕はゲイもののビデオの、最終場面みたいな。どろどろのぐっちゃぐちゃです。いまだ裸です。逃げるからって縛られた手首に赤い跡。身体中にキスマーク。
こちらに来たサカイさんに、頬を差し出されたので、ペチンとはたきました。彼は顔をそむけたまま、声を出さずに笑います。逆に恥ずかしい。殴るってどうやればいいんでしょうか。
「気は済んだ?」
「す……済まないですけど、もういいです」
「あそう。じゃあ次こっち」
サカイさんは逆の頬を差し出します。僕はうろたえます。
「も、もういいです」
「まあまあ、そう言わずに」
「…………」
ペチン。なんとも間抜けな音が、綺麗な部屋に響きます。
「じゃ、もう一回しても許されるってことで」
「え、どんな理屈ですか、それっ」
のしかかるサカイさんを、避けようとしますが無駄でした。
「君が可愛いのが悪い」
反論しようとしましたが、声になりませんでした。キスされたので。
★終
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