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ロミオとジュリエット 29★
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私は、泡吹きそうになった。
いっいま、なんと言った?!
言葉を失っている親父に向かって、結がもう一度はっきりと言った。
「悟さんを、僕にください!!必ず幸せにしますから!」
スーツをかっちり着て、髪を撫でつけて来た結の”勇姿”はこれを言うためだったのか!!
「…、よっ良かろう、道ノ瀬さん。私にそこまで言った人間は、君が初めてだ。
悟をくれてやる。熨斗(のし)つけてな。
お母さん、祝杯をあげようじゃないか。」
なんでこういう展開になるんだ。
「あの、僕、お酒飲めないんで。」
「おっ、お好きなオレンジジュースにしましょうね!」
妹も唖然とした後、慌てだした。
日本ではまだ正式な同性婚は出来ないが、いずれ結のご両親の前で私が言うつもりだったことを、結が さらりとやってのけてしまった。
恐ろしい若者だ。
「では、飛鳥さん、お祝いのピアノを弾いてくださいますか?」
「あっはい!」
「なっ何を弾けばいいですか?!」
飛鳥もまだ動揺している。
「モーツアルトの、フィガロの結婚がいいです!
”恋とはどんなものかしら”をお願いします。」
結の奴、またそういう曲を…。
「はっはい!」
「バレエでもこの演目があるので、よく知っています。歌は素人ですけど、歌わせていただきます!」
「お母さん、すみません、お水を一杯いただけますか?」
結が、場内を仕切り始めた。
「あっはい。」
母親が、キッチンの方からミネラルウォーターを急いで持って来た。母の手が震えて、コップに注ぐボトルの注ぎ口がカタカタあたる。
結が、それを一杯飲むと、結は、ピアノの鍵盤を自ら叩き、簡単な発声練習を始めた。
「♪ア~ア~イ~イ~オ~オ~イ~」
まじか。
しかも、オペラの発声法の低音から高音まで、気持ちよくのびやかな声だ。
”フィガロの結婚”と言うのは、私たちのことを暗示しているに他ならない。
確か、初夜権(領主が花婿より先に花嫁と一夜を共にする権利)をめぐるユーモラスなドタバタ劇だろ。
飛鳥がピアノの前に座った。弾き始めると、結が朗らかに歌い始めた。
歌は素人だと言いつつも、結の透き通るような澄んだ歌声に、私も家族も思わず冒頭から聞き入った。
結の地声は、落ち着いているが男性としてはわりと高めだ。結の歌声は高音域が特に綺麗だ。
結がこんなに歌が上手かったとは、私も知らなかった。
結の美声に聞きほれている最中、突如、実家の固定電話が鳴った。
私が一番近くにいたので、住民でないが私が電話を取った。
「東郷です。」
「ちょっと、音がうるさいのよ!静かにしてくれませんか!!」
「すみません。」思わず私は謝った。
近所からの苦情だ。
ピアノ裏の穴から、音がダダ漏れなのかもしれない。
結がちらりと私の方を見たが、かまわず歌い続けている。
♪あなた方は知っています 恋とは何か
女性の皆さま、ご覧ください 僕が恋心を抱いていることを
僕が感じていることを あなた方にお伝えします
それは私には初めてのことなので よくはわかりません
♪僕は 愛を求めていますが
誰が持っているのか、それが何なのかわかりません
私は意味もなく ため息をつき苦悶しています
知らないうちに ドキドキして震えています
♪でも僕はそれが楽しいのです。
あなた方は知っています 恋とは何かを
女性の皆さま、ご覧ください 僕が恋心を抱いていることを
結は歌い終わると、バレエの王子役の時のような仕草で、足を後ろに引いてお辞儀をした。
次に両手を上げ、満面の笑顔で、どうだ!と言わんばかりの王子っぷり。
皆は、拍手喝采だ。クラッシック好きの親父まで拍手している。
うちの女性陣は、もう限りなくうっとりとして、結にメロメロだ。
「道ノ瀬さん、凄い!歌もプロなのね!本当に芸術家なのね。」
「いや、おかあさん、結は歌手じゃない。バレエダンサーだってば。」
「悟は黙っていて!」
母は、結と握手したあと、結と抱き合った。
「あ、お母さん、ズルい!」妹たちも、その周りから抱きつく有様。
「おめでとう、道ノ瀬さん、お兄ちゃん!」
「道ノ瀬さんが、私たちの家族になるなんて夢のよう!」
もうなんだか、家族に激烈歓迎されて夜はふけて行く。
結を風呂に案内して入れると、まもなく先ほどの歌が聞こえて来た。
初めて来た家の風呂で歌うとは、やはり、結はよほどの大物だ。また、近所から苦情が来ないと良いが。笑
おかしくなって、リビングに戻ると、妹2人に掴まった。
「お兄ちゃん、結さんと寝室は一緒で良いんだよね?」
「うっうん。」
「客間じゃなくて、2階の絨毯敷きの部屋に、布団2つ敷いておいたから。」上の妹・恵が言った。
「え?」
「あの部屋、昔、ピアノ置くつもりで防音にしたじゃない?結局、穴隠しで下にピアノ置くことになったけど。」
音楽家の飛鳥が言った。
「お兄ちゃんも、道ノ瀬さんも面が割れているから外でデートとかできないんでしょ。」
妹2人が、ニヤリとして口々に、
「防音❤」「防音❤」と繰り返した。
「・・・。」2人の好奇心満々の様子に私は鼻白んだ。いや、妹たちには感謝すべきなのか。
ほどなくして、私はその部屋で結を抱きしめていた。
布団の上に座って、結を横抱きにして抱きしめる。結の体を赤子を抱くように、くるむように抱きしめる。
甘えっ子な結が、そうして欲しいと言った。
「結、凄いな、尊敬したよ。」
「でしょう?」結は得意げだ。
結が、私の首に腕を回して来る。
「君のご両親は、結が17歳の時に結を手放したと、かつて楠本さんから聞いたよ。それに比べてうちの親父は。」
「うちは家業ないから。僕、弁護士になる予定はなかったし。」
「今度、結のバレエを見に行く。」
「うん。来て来て。先ほどのフィガロの結婚の演目もあるよ。」
「結、さっきの歌。誰がどんな状況で歌っているんだ?」
「フィガロに花嫁がいるでしょ。伯爵がその花嫁を狙っているんだ。でも、伯爵にも奥さんがいる。
伯爵夫人。夫人は、夫がよその女性によこしまな思いを抱いていることを知っている。
その伯爵夫人の前に、美少年が現れるんだ。ケルビーノって言うんだけどね。
彼が、相当年の離れた伯爵夫人に恋をするんだ。
その恋する美少年ケルビーノが歌っているのが、さっき歌った『恋とはどんなものかしら』だよ。
でも、ケルビーノは軍隊入隊が決まってしまう。
大好きな伯爵夫人に会えなくなるばかりか、戦争で死んじゃうかもしれない。
緊迫する状況の中、年上の伯爵夫人への抑えきれないほどの愛が歌詞に込められているんだ。 」
「結は、美少年ケルビーノか?」
「そう…、東郷さんに恋するケルビーノ。」
結が、私にほほ笑んだ。
私の腕の中で、結が小さな声で再び歌い出す。
♪僕が感じていることを あなた方にお伝えします
それは私には初めてのことなので よくはわかりません
♪僕は 愛を求めていますが
誰が持っているのか、それが何なのかわかりません。
歌い終わった結が、静かに私を見つめている。
「東郷さん、僕はあなたの愛があれば強くなれる。」
「結…、君の気持ちに私は応え続けるよ…。」私は、結の額、頬、唇に口づけして行く。
「ここで、…してもいいの?」
「いい。結婚をうちの親も認めたよ。もう、君の家でもあるんだ。」
「…東郷さん、…」
「ん?」
「腰の傷を見せて…。」
選手生命を絶たれた傷か?
私は、結の前ですべてを脱いだ。そして、背中を見せる。
「見えるか。」枕元のスタンドがほの明るくついている。
「うん。」
結の指先が、恐る恐る触れてくる。10cmくらいの傷を上から下へ指でたどる。
その次に、唇で触れたのがわかった。
「結…。」
「東郷さんのこと、全部好き。この傷も。誠実で優しいところも、何があってもぶれないところも…。」
結が、後ろから私の腰に優しく抱きついて来た。
「結…、君ほど愛おしい者を、私は知らない。」
私は振り向き、結を抱きしめた。
「東郷さん。いいよ。…抱いて…。」
結を布団に寝かせ、その上に覆いかぶさった。
結を抱きしめながら、顔に触れながら、包み込むような優しいキスをした。
結も私の髪を撫で、指を入れて来る。
髪に指が埋められ、かき回される。
唇を重ねて、結と舌を絡ませた。
結の腔内に舌を入れて、結の舌を誘い出す。
「舌を出して」唇を合わせたまま言う。
キスをしながら、結のパジャマのボタンを上から外して行った。
アンダーシャツをまくり上げ、胸筋を手のひらに掴む。
「あっ…。」
結の片方の胸を掴みながら、もう片方の乳首を吸ってやる。
「ああっ!」
両の乳首を吸うと、みぞおち、腹、へそさらにその下へ唇を這わせる。
下着の上から、指を上下に動かすと、結は体をよじった。
指を下着の中に入れ、結の細身のそれや会陰を丁寧に愛撫した。
無理に力を加えず、優しく。
下着を脱がせて、足を大きく開かせる。
いつもは、恥じらい抵抗する行為も今夜は許してくれる。
結の細身のそれを舐めてやる。
舌先で軽く刺激してやり、その後手のひらで間断なく愛撫した。結がシーツをグッとつかんで静かに行った。
「うっ…んんっ」
結の両膝を持って大きく広げて蕾を露出させる。
「あっだめ!」
閉じかけた足を広げ、蕾に舌を押し当てた。
何度も舐め、指で襞を開くと舌をねじ込んだ。
「んっううううっんん!!」
指で、結のそこが潤ったか確認する。
少しでも乾いていれば、痛みが生じる。
まだ足りない。
結が恥じらい、すぐに足を閉じようとする。結はこの行為が苦手だ。
「もう少しするから。」
「あっいやっ!」
結の閉じた膝を掴み再び押し広げる。あらわになった襞を更に左右に開いて、もう一度舌を這わせた。
「ひぃっ…。」
結の入り口周辺を舐めて、舌先をまた中に入れた。何度も繰り返す。
濡れ方が激しくなってきたら、中指を結の入り口に入れる。いったん抜き人差し指も添えて2本で入れる。
「ああっ。」
「もう、痛くなくなったかい?」
「もういいから…お願い、来て…。」
初めて、結から行為そのものを欲しがった。
結の襞口に、自分を押し当てグッグィっと貫いた。
「あっああああっ!!!!」
もう、結は初体験の時のような侵入時の大きな痛みはないだろう。
いきなり奥まで入れず、ゆっくり進み、少し動きを止めてみた。
奥まで入れず、押し引きを繰り返す。抜ける寸前まで引いては、また押し込む。
「ああっんっあっあっあっあっ!いやっああっ!」
リズミカルに挿送する度、結が声を上げた。
結の中でいったんつかえた所を、何度か突いて、更に一段と深く差し込む。
「ひっいい!!だっだめ!!そんな奥までダメ!!うっううう!!」
苦しいのか、結はうめいたが、足が快感で反り返っている。
それを見て、私も引き、もう一度深く押しこんだ。
結の体内奥深く届いた時、愛情を注ぐ。
ビクンビクンと断続的に脈打つ私を、結も何度も何度もきつく閉めつけ、行った。
こうして、体を合わせる時も、結は肉体的な満足感だけではないものを、私にもたらしてくれる。
平穏、安らぎ、慈しみ…。
終わった後も、私は結を離さなかった。
結は、荒い呼吸をしながら、目をつぶっている。何もできず、ただ嵐のような熱が落ち着くのを待っている風だ。
結の体奥深くにはまだ私がある。
最高潮の時は、結の腹のあたりまで、”それ”が入ったはずだ。 その腹を上から撫でてやる。
その感触に、結が目を開けた。
ぼおっとして、結がうわ言のようにつぶやいた。
「こんなにされたら…、僕、妊娠するかも…。」
「はっ???」
PS.同小説を私のブログで、絵入り、番外編付きで書いています。秘密部屋も間もなくできます。よろしければおこしください。
http://fugo1555.jugem.jp
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