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そうだ、外国に行こう。emgr
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そうだ、外国に行こう。
そう思いたったのは、グルッペンさんと付き合って間もない頃だった。
gr「外国ぅ!?」
em「はい」
当然の事ながら、グルッペンさんは目を丸くして、こちらを凝視した。
gr「…で、なんで外国…?」
それは…日本では同性の結婚が出来ないからですよ。というか、それしかないよね!?
em「結婚したいからなんですけどね」
gr「結婚したい…って…ええ?」
グルッペンさんは困惑したようで、次に私が口を開くまで、彼は声を出すこともなかった。
em「…だめ、ですかね?」
gr「…いやぁ、だって…ほら。お金とかかかるしね?」
em「全部私が免除します」
gr「いやそこまでしなくていいけど…」
グルッペンさんは、顔をしかめて考える。
gr「ん…と、エミさんはさ」
em「はい」
gr「絶対的危機状況に陥ったとして、恋人と友達、どちらか救えるとしたら、どっちを救う?」
私は口を閉ざした。グルッペンさんが何を言おうとしているか、分かってしまったからだ。
gr「どっちも選べないでしょ?俺は恋人のエミさんと外国に住んで、大先生やゾム達に会えなくなるっていう選択肢を取りたくないんだゾ」
em「うーん…残念です」
gr「結婚しないとダメか?付き合ってるって事実があれば良くない?」
確かな証拠が欲しかった。結婚という証拠が。それがグルッペンさんを引き止める何かになると思ったからだ。
em「…グルッペンさん」
gr「ん?」
em「私の事、愛してくれてますか」
gr「当たり前だろ。何言ってんだ」
彼はよく嘘をつく。だから私は彼を信じれていない。本当は信じたい。だけど。
em「…」
私は瞼に影を落とした。
gr「…愛してなかったら、お前に抱かれてないよ」
em「…そう…ですね」
私はまた、彼と外国に行きたいというのだろう。それは、私のわがままなのに。
gr「愛してる」
em「…私もですよ」
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