アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
暗殺者日記① zmsp
-
zm「…」
sp「…」
彼が肺から煙を押し出す。隣にいるショッピさんは、俺の嫌いな煙草を吸っている。
俺は暗殺者だ。
ショッピさんは、外交官ということもあり、恨みを買いやすいらしく、沢山の暗殺依頼が来た。
でも、この人は悪い人ではないことを、俺は知っている。
俺はこの人を殺すためにこの人に近づいた。
そして、殺すタイミングを伺った。
zm「暗殺依頼…」
俺はベットに寝転びながら、封を開ける。
zm「筆跡…同じ。依頼内容も…同じ、か」
指でその文字をなぞって行く。
『ゾム、いいか。依頼を全てこなす必要はない。本当に殺すべきやつなのか判断してから殺す、それが俺のやり方だ』
そう言ったあいつはもういない。
俺が殺した。
自身のレベルアップのために。
zm「はぁ…外交官の殺人依頼とか、ボディーガードもいるだろうし、結構大変やろな」
それが2ヶ月前のこと。
今はこうしてショッピさんのことを守るボディーガードと化している。
ショッピさんは、恨まれるような人でもなんでもなかった。
ショッピさんは、ただただいい人だった。
誰にでも平等に接し、笑顔を見せる。人望も厚い。
しかし、それだからこそ妬まれるのか。
好かれず、孤独で顔が広い訳でもない。そんな人間がこの人に嫉妬するのだろう。
ある日。そう、ある日のことだ。
sp「…っ…」
zm「ショッピさん…!?」
俺はボディーガードとして彼を殺す機会をうかがっていた。その日、少し目を離した隙に同じ業界の暗殺者がショッピさんを暗殺に来たのだ。
俺は咄嗟にショッピさんを庇った。その時の、ショッピさんの顔が。苦痛に引きつって、それでいてどこか安心したような。そんな顔が目に焼き付いて離れない。
結局その暗殺者は逃がしてしまったが、ショッピさんは俯いて「…ありがとうございます」と、小さく呟いた。
それからだ。彼のことを"恋愛対象"として見始めたのは。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 33