アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
暗殺者日記④ zmsp
-
一体どうしてこんなことになった。
いつから気づかれていた…?
zm「…っ」
俺は走っている。ただひたすらに。
これはもう、どうにも出来ないことを知りながらも。
パァーン!
zm「…っ!」
俺は、ショッピさんに狙われていた。いや、ショッピさんとは決まった訳では無い。だが、同じショッピさんのボディーガードの奴が俺をスナイプしてきたのだ。だから、多分。
…これは、やばい。
でも、そんなことを言っている暇はない。
俺は、彼に会うために、走った。
そして俺は、その日死んだ。
sp「…!」
彼に一言、愛してると言って。
その後に、すぐ鉛玉が俺の体を貫いた。
彼は俺が死ぬ間際、心底悲しそうな顔をした。
***
なんで。どうして。
彼は死ぬべき人間だ。彼は暗殺者だ。彼は死ななければいけない。
俺はそれを理解している。分かっているはずだ。
なのにどうして。
俺はどうしてこんなに涙を流しているのだろうか。
彼が暗殺者だと分かったのは、彼が持っていた「暗殺記録」からだった。
そこには今まで殺した人間の名前や、殺した時の感想などが書かれていた。
俺は最初のページを見ただけで分かってしまった。
彼は、ゾムさんは…俺を暗殺しに来たのだと。
そう思うと、彼への今まで彼と過ごした記憶など弾けとんで。
…そして彼は、死んだ。
俺は彼がここにいたという記録を捲る。
最後の方のページに、俺の事が書いてある。
今までとは違う。感情の篭もった、小説のような記録。
俺は彼の筆跡を指でなぞる。
sp「…」
彼は死ぬ間際、ただ「愛してる」とだけ言った。そして満足気な顔をして死んでいった。
確かに殺したのは俺だ。だけど、それでも残された俺の気持ちは。
本当に最低だ。あんな言葉を残し死んでくなんて。何も言わずに死んでくれたら、もっと楽だったのに。
俺はそれを燃やした。俺の傷が癒えるように。もう二度と彼を思い出さないように。
その時も俺は、涙を流した。
…もう戻れない。彼は死んでしまったのだから。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
28 / 33