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俺に彼は勿体ない utsha
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最近恋人の様子がおかしい。
俺が何か言う度にびくびくするし、たまに1人で泣いてたり、その日1日何も喋らなかったりもする。
別に俺は何もしてないのだが、そういった態度を取られると、こちらも神経質になってしまう。
sha「…だいせんせ…」
それの始末をしなかった結果がこれだ。
今、俺の恋人のシャオちゃんは、俺にまたがって包丁を突き立てている。
だがこの状況でも、俺は至って冷静だった。自分がシャオロンを押しのけ逃げるより、話を聞く方が先だと思ったからだ。
ut「シャオちゃん…なんかあったの?」
sha「別に…」
この状況で『別に』はないだろ…何かあったから俺にこうして刃を向けているのだ。それ以外に考えられなかった。
一瞬の沈黙の後、シャオロンは包丁を床に置いた。
sha「…大先生は…俺みたいなのが恋人でいいん…?」
質問の意図が分からず、俺は沈黙した。
sha「大先生はさ…自他ともに女好きだって認めてるやん…なのに俺なんかとさ…」
ut「俺は、好きでもないやつを騙して恋人になったりしないぞ?」
sha「…」
ut「…そんなに信じられんの?」
シャオロンがぽろぽろと涙をこぼす。
sha「だってさ…愛を感じないんやもん…」
ut「…?」
sha「キス…はしたけど…でも…その先はまだ…」
俺は思わず声を出して笑ってしまった。シャオロンは涙を拭いもせず、俺の顔を見つめていた。真剣に話してるのにと怒ったようにも、笑っているのを怪訝に思ったようにも見えた。
ut「だってさ、好きな人のことは大切にしたいやん?」
sha「…ほんとに?ほんとに俺んこと大切に思ってくれてるん?」
ut「当たり前やろ」
俺がそう言うと、シャオロンはまた包丁を握り、俺の目の前に持ってきた。
sha「…なら抱いてよ。俺んこと、好きと思ってるなら。そーしないと、俺…」
シャオロンは強く包丁を握りしめる。また彼は、ぽろぽろと涙を流した。小さく、死にたいと言っている。
俺はシャオロンを押し倒し、そのまま口付けをした。
***
sha「…うぅ…」
シャオロンが枕に顔を伏せ、呻いている。
sha「…なにか俺は間違いを犯した気がする…」
ut「抱いてって言ったのシャオちゃんじゃなかったっけ?」
sha「そうやけど…」
シャオロンは不服そうにこちらを向いた。
ut「…嫌やった?」
俺はテーブルにお茶を置き、ベッドに座った。そしてシャオロンの方を横目見る。
sha「…嫌や…ないけどさ…」
かぁっと頬を赤くしたので、俺はシャオロンの頬にキスをしてみる。益々顔が赤くなり、彼は顔を伏せた。
sha「ほんとに…ほんと…?俺なんかでええん?」
ut「うん、寧ろシャオちゃんが居ないと生きていけない〜ってレベルでシャオちゃんと恋人がいい」
sha「…そっか…」
彼は恥じらいながらも、嬉しそうにこちらを向いて笑った。
俺はシャオロンと恋人になれて心底良かったと思っている。シャオロンと付き合ってから、キープの女は全て切った。
ただたまに、眩しすぎると感じることがある。俺にはシャオロンは勿体ないのではないか。そう感じる時がある。
俺は、シャオロンが抱いて欲しいと考えてるなど思いもしなかった。シャオロンが大切だから、とはいったものの、俺もシャオロンを抱きたいと思っていた。
だから、俺はあの時シャオロンに包丁を突き立てられ、『抱いてよ』と言われた時、物凄く嬉しかった。あの時、心底安心したのだ。シャオロンは自分とは違うのではないかと、思い始めてしまっていたから。でも、彼は俺を必要としてくれた。俺にはシャオロンは勿体なくはなかった。
俺もシャオロンを深く愛そう。狂おしいほどに抱こう。
俺はシャオロンの唇に深くキスをした。彼は身悶えしていたが、押し倒され、これから何をされるかを理解し、そのまま俺を抱きしめた。
俺と彼は、同時に『好き』と呟いた。
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