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商社 ★36
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「んんっ!」 部長が、形の良い眉をゆがめてうめく。
俺は、仰向けに寝かせた部長の中をかき回すように動かした。
小刻みにしたり、早く動かしたり、抜ける寸前まで出して一気に挿入したり・・・。
そのうちのどれかが、すごく気持ち良かったのか、部長は「あっ!」と短く、でも
大きく声を上げた。
そう、今、部長と深くつながっている。
激しくピストン運動したい気持ちを抑えて、動かさず静かしている。
動きを抑えることで、逆に心がつながっているのを感じる。
体の関係だけでなく、好き合う人といる安心感、安らぎを感じる。
深く挿入しているせいで、部長は目元を赤く染めきつく閉じたままである。
「ああっ・・・」
前を手でさすり、小刻みに動かす。深く滑らかな上下の直線運動を何度もして
あげる。
部長が興奮してくるのが分かり、よけい”絞まり”が良くなる。
”前”への愛撫が長く、フィニッシュまでの時間がかかると、後ろが乾いてくる
のか、経験があまりなかった頃みたいに、狭くて動きにくくなる。
なんか、部長と初めてした頃みたいだ。
って、部長と初めてした時、狭くて大変だったけれど、以前は前田と付き合って
いたんだよね!?
前田が手をつけなかった(これは俺が最も望む答えだ!)もしくは、
部長は名器!?
(嬉しいんだか悲しいんだか、泣)
誰が、教えたの?
そう考えたら、すごく悔しいような気持ちがこみ上げて来た。
部長の中に刺さった俺の”それ”が、力を増すのを感じたのか、部長が「あ、」と
短く声を上げた。
「あっ。いやだ!」
俺が、膝裏を掴み部長の股を押し広げ、俺をくわえ込む”入り口”に見入る。
社にいる時の有能でクールな部長からは想像できない、あられもない姿に
俺はクラクラした。
「ここの、力抜いていて。」
小さな”ここ”をさらに押し開き、物が垂直になるよう、ググッと力強く突き
入れる。
「あああっ!!」
激しく頂点を極め動かす。
「あっ!あっ!あっ!」
たっぷり放出した後の満足感で、俺は幸せなアフターラブを過ごしていた。
部長が起きようとする。
「今、出してあげますよ。」
「いいよ。」部長は拒否して、寝具から抜け出る。
俺が追いかけるようにして、部長の背に抱き付きベッドに引き戻した。
「こら、浩平。」
「いいでしょお、もう少し。」
「なに、甘ったれてるんだよ。」 部長は、年上の余裕で苦笑する。
しばらくHがなかったんだから、甘えさせてよ。
後ろから抱いているつもりが、俺の方が、おんぶされているみたいだ。
「一緒にお風呂入りましょう。”中”も洗ってあげるから。」
部長は、俺の腕をぽんぽんと2回優しく叩いて、終わりにしようとする。
俺は未練がましく、ベッドのふちに腰掛けた、部長の絞まったお尻の割れ目に
中指で触れる。
部長は、サッと立ち上がって言う。
「今日は調べ物が残っている。トワレットで流して来るよ。
君に任せると、この後の仕事がふいになりそうなんでね。」
「それは残念です、入江部長。」
俺は、少しすねる。
「浩平、君のトワレット業務、業績不振なので、早々にテコ入れするように。」
「へ?」 Hが終わると、いきなり上司の顔になる部長。
◆
2011年に突入し早1ヶ月、上岡商事EU第三部の入江部長は、相変わらずきびきび
指示を飛ばしている。
俺は、トワレット業務に相変わらず追われている。
そう、温水便座を海外向けに売れるよう、リサーチし、日本メーカーで心臓部、
あとは現地生産で組み立て、EUに輸出するのが俺の仕事。
今は、同じ課の隅内女史ら同僚数人でやっている。
入江部長は、EU第3部の7つのユニット(組織)を統括する部長である。
俺は、その1ユニットって言うわけ。
温水便座。
こんな快適な設備はないと日本人なら誰しも思うだろうが、これが、海外では
意外と売れていない。一部のセレブを除いて。
「自分の尻の後始末ぐらい、自分でする。」
「自販機に自動トイレ。日本は何もかもハイテクで、未来世界みたいだ。笑。」
「ドアを開けるとトイレの蓋が開くのに、老母が腰を抜かした。
お尻洗いなんていらない。 ビデでたくさん。」
海外から、英文の他、仏、独、その他の言語で、苦言が寄せられて来る。
”ビデはあるくせに、なんで尻は水洗いしないんだよ。”
俺はため息をついて、良かった御意見のページに変えた。
背後から、俺のマウスを掴んだ人物がいる。
ダークスーツと、清潔な薄いブルー袖口。
「ぶっ部長!?」 俺だけでなく、周りの同僚も驚いている。
部長は、画面を見て、先ほどのクレーム画面に戻してしまう。
「お客様のクレームを徹底的に調べるんだ。そこに解決のヒントがある。」
調べているんですけれどね。俺は、心の中で口答えをした。
「クレームは、何件ある?」
俺が答えられないでいると、隣りの隅内女史が、「350件ほどです。」と答えた。
「クレームは宝の山と思いなさい。
いいか、日本にしか出来ない付加価値の高い商品を売るんだ。」
部長が、デスクの上に積んであった経済新聞を俺たちの前に置いた。
新聞1面を見れば、ドイツのGDPが3.6%と東西ドイツ統一後、最も大きな伸びを
見せている。ユーロ安も手伝って、輸出状況は上々だ。
好調な自動車メーカーをはじめ、付加価値の高い製品が、アジア新興国の
富裕層に驚異的な伸びを見せているのだ。
部長も、BMWに乗っている。年末、初めて見たが。
次の週末、俺は部長をメールでデートに誘った。その答え、
「出かけたくない。」
「え、じゃあ、またマンションに行ってもいい?」
返信はたった、2文字。
「 だめ。 」
それきり何を聞いても、返信はなかった。
部長は、自宅で勉強中なのかもしれない。
今まで一緒に過ごした時も、部長はよく勉強していた。
仕事で必要な情報知識を収集しているのだが、部長の勉強量ときたら、半端では
ない。
商社に勤める、学者みたいなものだ。
最近、円高と安い中国製品に押されてうちの部の収益は必ずしも良いとは
言えない。
そんな時、部長が呼びかけるチームがある。
月曜日は長時間の経営会議があるので、そちらにかかってしまうが、そのほかの
曜日は、必要と感じれば、すぐに問題解決のプロジェクトチームを結成する。
職位や部署を問わず、時には他社の専門家を呼び、必要な人材を集めて
解決策を模索する。
コスト削減、収益改善、品質向上、などを話し合うのだが、先例よりも革新と
解決を優先する合理的頭脳を集結させるのが目的だ。
部長は、彼らの意見をまとめ、改善を上層部に提案する。
部長は、職位には何の価値も見出さない人物である。
必要とあらば、古い考えの染み付いたトップと、断固闘う意志を持っている。
そのために、部長は常に勉強する。
他の部長に比べ格段に若い入江部長が、年功式・縦割り組織の弊害を
取り除くため、そうしているのだ。
現に、功を奏している。
上岡商事EU第3部は、また伸び始めた。
このプロジェクトチームを、特にCFT(機能強化チーム)と呼んでいる。
部長を支えるマネジメント基盤である、CFTに、俺はまだ呼ばれたことはない。
早く、仕事の上でも部長の片腕になりたい。
うちの部署は家庭用品部署だが、なぜか、戦闘機なんか扱う航空宇宙第2部の
前田慶が、CFTに呼ばれて長時間部長と一緒にいたりする。
俺ですら、一緒にいる時間は短いのに!なんでだよっ!
トイレのCFTも開きましょうよ!部長!って言いたいが、そんなヒマはなさ
そうだ。
次の週末も、また約束はなかった。
部長が退社するのを見計らって、俺も会社を後にした。
部長の最寄り駅で降り、後から付いて行ったが、部長は気付く気配がない。
坂を上ると、瀟洒な白いマンション・・・、部長の自宅だ。
「部長!」
彼が振り向いた。
「浩平・・・。」
近付いて、なるべく爽やかに聞いた。
「泊まって、いっていいですか?」
でも”その意味”を込めて、聞いてみた。
前回のHから、もう1ヶ月近く経つんだ。
部長も、俺の”意”を察したらしい。
「ごめん、浩平・・・。今日はこのまま、帰ってくれないか。」
「え・・・。どうしたの?最近・・・。」
部長、前回のH、俺、下手だった?
あの時、いつもと違うのは、”Hの後始末”を俺がしなかったことだけだと
思うが。
部長が、トイレでして来るって言ったし・・・。
切れてたとか?!部長は締りがいいから・・・。でも俺、慎重だったよね??
って今聞いたら、怒られるよね・・・。
100歩譲ってHはしなくても、部長と一緒にいていいんだよね。
俺は、部長の配偶者だよね?俺はそう言いかけていた。
お互いの親にも会ったし、俺の母は俺たちの結婚を認めてくれている。
一緒にご飯を食べ、寝て、喜びも悲しみもすべて、人生を分かち合う・・・。
そう言う関係だよね?
なのに・・・、
出入り禁止になるほど、俺・・・何かしでかした?!
俺は、何も言わない部長を見つめ続けていた。
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