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会話
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まずい。
どうしよう。このままじゃいけない。
何一つとして変わらないこの現状を変えなくてはならない。
でないとまた中学と同じ事を繰り返してしまう…。
教室の隅っこで頭を抱えしばらく考えていると、まともに思考が働いてきた。
まず、僕は何をすればいいのか。
何をどうすれば友達が増えるのか。
毎日、ベットの中で震えながら考えた。
もしも失敗したら。
悪目立ちして逆にいじめられたら。
もう何百回も考えてきた事だ。
大丈夫、落ち着け、僕。
選択肢としては近い人に声をかける、か…。
でもまだ前の席の人は来てないし…。てか遅くないか?
もうすぐ先生が来る筈なのに…。休みかなあ。
まぁ、それは置いといて、…
となると選択肢はあと1つ…。
こいつ(佐々木)か……。
うーん、でもポジティブに考えれば
こいつと仲良くなれば友達いっぱいできる気がするぞ…?
こいつ陽キャだしな…(多分)
よし。
友達のできる最短ルートを考えた僕は陽キャと思われる『佐々木』に声をかけることにした。
取り敢えず軽い自己紹介と共にあいさつをしよう、…心を決めた僕はガタッと椅子を鳴らし、佐々木へと顔を向ける
担任の先生が来る時間が迫っているからか、先程まで佐々木の机の周りできゃっきゃうふふと騒いでいた連中は姿を消し、各々の席へと着席していた。
チャンスは今しかない________。
「あっ、…あのっ。さ、佐々木、君、…だったよね…?」
「ん?あぁ、そーだよ!なんで知ってんの??」
緊張のせいか声が上ずる。
落ち着け。ゆっくりなら大丈夫。
「えっ、と…。教室の、皆が…さ、騒いでた、から…。」
「あ、ごめん!うるさかった…?」
「い、いや!!違う!!うるさくなんて…!」
胸の前で手をぶんぶんと振り必死に否定を繰り返した。
素直に謝る佐々木はやっぱりコミュ力高めなんだなぁ。
それで…後は…?あ、自己紹介か…。
「え、えっと…。その…。僕…、い、池田、はる、陽(いけだ はると)っていいます…。よ、よろしく…?」
噛んだ。そして最後何故か疑問形になっちゃった…。
変だって思われたよな…絶対…。
「へえ、良い名前だな!俺は佐々木!佐々木颯太(ささき そうた)!こっちこそよろしくな!」
「へ?」
思わず変な声を出してしまった。
僕があんなに変な声で、変な挙動で喋ったのに。
何もいじらない。何も馬鹿にしない。
こんなのは初めてだ。
「どした?口開けて…」
僕がぽかんと口を開けていると、不思議そうに佐々木は覗き込んできた。
「あっ?!いやっ、なん、でも、な、い…っ!!……です…」
「敬語じゃなくて良いよ?wこれからよろしくな!せっかく隣なんだから仲良くしようぜ!」
にかっと白い歯を見せて笑う佐々木をみてホッとした。
めちゃめちゃ良い人だ…この人…。
ホッと胸を撫で下ろしたところで先生が教室へと入って来た。
椅子の向きを元に戻し、教卓の方へと視線を向ける。
取り敢えず第一関門突破…かな?
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