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ぼっちの登校
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「あ。不審者」
「起きた!!!人殺しになるかと思った」
目覚めた途端に不審者が抱きついて来ようとするのをなんとか阻止していると、さっきの女子生徒が腕を組んで仁王立ちでベットの前に立つと、不審者と俺を拳骨で殴りつけた。
「………いってぇ。何で、俺まで。」
「これは、アレよ。うるさかったから………ついで?」
「理不尽だ。訴えてやる」
「あら。倒れた貴方を運んであげたのは誰だと思ってるのよ。おかげでこのか弱い腕が痛くて筋肉痛で慰謝料払ってもらいたいくらいだわ」
「いや、音くんを運んだのは蘇芳じゃなくて俺と黒鳶………」
不審者が暴力女に睨まれると喋っていた口を手で塞ぐ。
「まぁ、そんなことより。大丈夫?音くん」
「あぁ、はい。いつものことなんで」
「「いつも?」」
他人と喋んのが久しぶりすぎてうっかりと余計なことを滑らせたなぁと、目の前の2人の反応でうっすらと思って頰をぽりぽりとかいて答える。
まぁ、別に。隠しているわけでもないからいいか。
「いや、まぁ。________俺、音楽が駄目なんすよ。音楽聞くとぶっ倒れるっつうか。」
不審者と暴力女が複雑な表情で顔を見合わせるのを見て
居心地の悪さを感じるが、別に俺としてはそれが悲しいとか思わないし、んな顔されても正直困る。
「まぁ、別に。日常生活送る分には何ともないし。音楽なくても生きていけるんでんな顔しないで貰えます?」
「「そんな………。」」
「だから、」
「「(私の/俺の)音楽祭の歌、聞いてもらおうと思ってたのに」」
「は_______?歌?」
2人は俺の疑問に答える気はないようで、俺をみるや否や溜息をついた。
「人の顔見て、ため息つくのやめてもらえます?」
「だって、せっかく、音楽祭であげる新曲ができたのに。聞いてもらう相手がいないんじゃねぇ」
「そこの不審者がいるじゃないっすか」
不審者を指差しながら言うが暴力女は不審者を見てから、首を横に振る。
「あやふやなことしか言わない、感覚バカに聞いてもらった所で何の収穫もないのよ」
「え?不審者って俺のこと?感覚バカっていうのも俺のこと?」
「あんたら、音楽やってんだ。でも、残念だけど。音楽は聴けない体質なんで、さーせん」
ベッドから這い出て不審者に手を差し出すと
不審者は首を傾げた。
「千円で。話聞いたら、何でもしてくれるって言ったじゃないっすか。俺、腹減って死にそうなんで」
「コレ。新手のカツアゲだよね?蘇芳」
「いいんじゃない?約束したあんたが悪い」
不審者がしぶしぶ財布から千円を取り出そうとしてるところで邪魔が入った。
「………そんな簡単にカツアゲされていいんですか。それも下級生に」
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