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ついでとばかりにベルトを外して下着ご
とズボンを引き下ろすと、相変わらず元気
のいい高ぶりは下着に引っかかりながらも
ぷるんと顔を覗かせた。
まだ異性を知らないそこは白く、もとも
と体毛が薄い岡本の茂みは申し訳ない程度
にあるだけだ。
その高ぶりの根元付近にペン先を一周さ
せて二本の円を描き、そこに向けた矢印を
引っ張ってまた文字を書き添えた。
その頃にはもう岡本はすすり泣くような
声を漏らしており、繰り返し書かれた単語
は高取の本心なのだと認めるしかなかった。
岡本が欲する彼自身の言葉なら拒むこと
などできない。
しかしそれは岡本にとって心身を割かれ
る様な苦痛を伴った。
「お願い…。
高取君じゃなきゃ嫌だよ…」
すすり泣くような嗚咽の合間に消え入り
そうな声が混じる。
しかしそんな言葉も無視する高取は岡本
に背中を向けさせ、以前書いた落書きにバ
ツ印を書いて別の言葉を書き加える。
そうしてようやくペンのキャップを閉じ
た。
岡本はと言えば高取の腕が離れるともう
立っている気力もなくなったのか、その場
に座り込んでしまう。
丸まった背中はいつもよりも小さく見え
た。
決して何度も文字を重ねられたわけでは
ないが、岡本を打ちのめすには充分すぎる
言葉がその肌を汚している。
用は済んだとばかりに帰ろうとする高取
を呼び止めることすら思い浮かばないよう
だった。
「ここにいたのかよ、岡本。
また逃げようとしたってそうは…お?
チッ、なんだよ先客かよ。
もしかしてもう犯られちまったのかぁ?」
ニヤニヤしながら教室に入ってきたのは
大柄な生徒。
制服のラインの色から上級生だとすぐに
知れ、目立つ風体の上級生は一見して昼休
みに岡本を連れて行った者だと知れた。
上級生の言葉を聞く限り、どうやら昼休
みは彼に逃げられたらしかった。
手の中でペンをくるりと回した高取はそ
れをポケットに突っ込んでそのまま教室を
出いき、逆に教室に入ってきた上級生は落
胆して動けずにいる岡本を今度こそ逃すま
いと大股で近づいてその腕を掴んだ。
「お…?
“一生飼ってくれるご主人様募集中?”
なんだこりゃ。
岡本、お前人間だと思ってたけど犬に成
り下がったのかよ。
そんなにご主人様が欲しけりゃこの俺様
が飼ってやるよ!
感謝しな!」
耳障りな濁声で笑う上級生はいつまでも
立ち上がらない岡本を強引に引っ張り上げ
ると胸を机の上につけるようにしてくの字
に折り曲げ、落書きされた尻を見てほくそ
笑んだ。
「“ご主人様専用”か。
ククッ、いいじゃねーか。
じゃあ遠慮なく突っ込んでやるよっ」
さらに機嫌を良くする落書きをされた尻
は汚れた形跡もなく、服を脱いでいたのに
去った高取に使われたわけではないと知る。
だが人一倍声の大きい上級生は気づかな
い。
逃げ出すどころか抵抗すらしなくなった
岡本がわずかに開いた唇の間から囁くよう
な小さな声でずっとたった一人の名前を繰
り返し呟いていることに。
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