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「もう…なんでこんな眠いんだ。
チクショ…」
高取が忌々しく呟いて瞼を擦るが、どうや
らそれよりも眠気が強い。
手でなくてもいい。
足でもいいから股間に触れてくれないだ
ろうかと岡本が思っているのにも気づかず
に、彼が日頃寝起きしているベッドにその
まま体を沈み込ませた。
「高取君、眠いの…?」
「うっせ…黙れよ…」
おずおずと尋ねた岡本に言い返す彼の声
は尻窄みになっていく。
その部屋の主である岡本を置き去りにし
たまま、彼はスーッと眠ってしまった。
「……もう、寝た?」
だいぶ間を開けてから岡本が声をかけた
時には彼は寝息をたてており、顔の前で手
を振って彼がすっかり眠ってしまったこと
を確認した岡本はおずおずと彼の隣に移動
した。
眠ってしまっても高取に手を出すような
度胸は彼にはない。
眠ってしまった高取の首筋のあたりに鼻
を近づけると、大好きな彼の匂いを嗅ぎな
がら私服の下に窮屈に収まっていた自分の
ものを取り出してたっぷり先走りを零すそ
れを掌でひろげるようにしながら高ぶりを
扱く。
「高取君っ…」
上擦った岡本の声が何度となく彼の名を
呼ぶが、眠ってしまった高取が目覚める気
配はない。
「あぁっ、好き…っ」
自分のものを扱きながら溢れそうになる
声を懸命に押し殺していた岡本は、間もな
く眠っている彼の横で果てた。
白濁で彼を汚さないようにと手を添えて
全て受け止めると、大量のドロリとした白
濁は受け止めた掌から零れ落ちそうで慌て
てティシュで受け止める。
彼に中途半端なまま放り出されて家に帰
ってきて自慰した時よりもずっと濃いのは
生身の高取が傍にいるからなのか。
とにかく手を洗ってこようとベッドを降
りて彼のもとを一時離れた。
岡本が戻ってきた時も彼は変わらずベッ
ドで眠っていた。
まるで夢みたいないのに夢でない現実を
確認してほっとする反面、こんな幸福な状
況でどうしたらいいのかわからなかった。
「う…ん…」
高取が眠ったまま寝返りをうつ。
さすがにそのままでは風邪をひいてしま
うと気づいて彼をちゃんとベッドに寝かせ
ようと体の位置を少しずつずらした。
うつ伏せではあったがなんとかベッドに
まっすぐ彼を寝かせると、体の上に掛け布
団をかけようとして彼のポケットから覗く
キャップが視界をかすめた。
「………っ」
何も感じなかったと言えば嘘になる。
誘惑を感じなかったかと問われれば、答
えなど決まっている。
高取はいつも使っているマジックペンに
ついて何も言わない。
岡本だって何も知らないけれども、きっ
とそれを使っている高取よりも使われてい
る彼のほうがその効果を体で知っていた。
ゴクリ、と空気が震える。
岡本の耳の奥で鼓動がうるさいくらい高
鳴っていた。
手を伸ばしたペンはすんなりと岡本の手
の中におさまり、黒いインクはもう僅かな
隙間を残すのみのところまで溜まってきて
いた。
どうやって使っているはずのインクを補
充しているのかはわからなかったが、これ
だけあれば少しくらい使っても気づかれな
いんじゃないかという誘惑が岡本の脳裏を
かすめる。
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