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冬の話5
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久しぶりの学校へ行く日の朝。
まだ…傷が痛むから、そろそろと歩く。
……寒い…なぁ……。
そういえば…三週間前はクリスマスイブ…だったんだ。
痛みで寝込んでいる間に、新年になった。
イブ……
……いい事……一つもなかった…ね。
笑っちゃう…。
僕はあの人に飼われているのに、何でいい事があるって信じたんだろ?
あ……。
いい事…あった…のかな?
…18になったら……自由に…逝ける。
18に…なったら…
18になったら……僕は……自由…。
ぱっと、辺りが明るくなったような気がした。
……18…になったら…僕は……
「……雪だ!!」
誰かの声がして、思わず空を見上げた。
「積もるかな?!」
「まさか。すぐ止むよー。」
戯れあいながら、子供が通り抜けた。
雪…。
雪は…好き…。
あっというまに、溶けて消えていく…雪
僕なんかにも……触れてくれる…雪
僕の大好きな…雪。
……ああ…そうだ。
…逝くのは……雪が降るときに…。
……わがまま…かな…?
18…
18になったら…僕は雪と一緒に
……雪と一緒に………。
…頭を振って現実に帰る。
………行かなくちゃ…学校……。
足を引きずりながら歩く。
学校に行って、また痛みが待ってるかもしれない家へ帰って。
あの人に許されているのはそれだけ。
でも…
でも、いつか逝くんだ……18になったら……
出来るなら…
雪と共に………
冬 END
(秋に続きます)
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