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秋の話 8
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「ん…?起きたのか?」
アキラが声を出す。
「ん、なんだ?
そんなにビクついて。
…また、イジメたくなる。」
やだ!やだ!やだ!
絶対にいやーー!!
噛み付くようなキス…。
睨み付けるけど、逆に睨み返されてビクッとなる。
もー、痛いのはやだ!!
「おまえ、気に入った。
その怯え具合とその強気、セックスの相性も良いし。
ペットにしてやるよ。」
「はあ?!!
何考えるの?!」
「まあ、まあ。
終わったら、大事にしてやるし。
おまえ、最後、ヒイヒイ泣いて、拘束解いたら俺の胸に縋ってたの、覚えてない?」
そんなん、覚えてるかーー!!
「おまえが一番良いんだ。」
え…?
ククッと笑って俺を胸に抱き込む。
「わっっ!!」
「今のところは、おまえが一番良い。」
一番…。
一番って……特別…だよね?
誰からも、望まれなかった、
誰のことも望まなかった、
俺が、一番……?
………あったかい……
この……温もりが、手に入るんなら…
多少の痛みは……
もう……いい…や。
自分から、抱き込まれたその上に、更に深く潜る。
「…いいな?」
「………」
アキラの胸の中で、頷く。
「俺……秋ってんだ…。」
「……おまえは、犬だ。
人の名前とはおこがましいと思わないのか?」
見上げると…アキラが冷たい目で言った。
怒らせた?!
「ごめん!ごめんなさい!!」
ビクついて言うと、満足そうに顔を緩める。
「…そうだな、ポチかジョンで十分だな。
決めた、おまえはジョンだ。なぁジョン?」
う…。
「…はい…。」
アキラは、上機嫌で、頭、撫でてくれた。
あ…、この感じ…。
「……アキラ。」
「何?ジョン?」
「………もっと、撫でて…?」
…だって、撫でられたことなかった。
あ…、一回だけある!
あれは、みんな見てる前で賞状貰った時、ばばあがおざなりに撫でてくれた。
「なんだよ、甘えん坊だな、ジョンは。」
そう言って、アキラは幾度も幾度も撫でてくれた。
うん、いいや。
ポチでも、ジョンでも。
なんたって、一番なんだから!
……クリスマスの日、
僕には飼い主という名の、恋人が出来た……。
秋 END
(鈴に続きます)
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