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聖なる夜 2
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「…なるほどね。」
事情を話したら、亮がいたく同情してくれた。
うぅ…。
「…僕もバイトだし、亮は仕事だし!全く、止めてよね!自分だけ不幸っていうの!!」
秋がむくれる。
あ…そっか、二人とも仕事だったんだ…。
そしたら、俺だけっていうの、なし…だよな、うん。反省。
「ごめん!!」
「素直でよろしい。」
うんうんと満足そうな秋に、亮がコツンと頭を叩く。
「秋、秋は入院中じゃないし、調子悪くもないだろ?」
「それはそうだけど…。」
…なおも亮に見られて、秋が口の中でゴニョゴニョと言う。
「…冬の事情、忘れてた…。ごめん…。」
おお!秋が謝った!
うん、亮は偉大だ。
「で?なんで、ケーキ?
冬くん、食欲もないって言ってなかった…?」
「ん…、でも…せめてケーキで雰囲気を!って…。
それがきっかけで、食欲出て来るかもしんねーし!
で、冬が食べられそーなケーキ…って思って…。」
「で、悩んた…と?」
「ばっかじゃない?!
冬は司が選んだものなら、なんでも喜ぶって!」
「それは、俺もそー思う…。」
「だったら」
「思うけど!後で吐いちまったら、俺は全然気にしちゃいねーのに、冬落ち込むの目に見えてる…。
だから、少しでも冬が食べられるものを…って…。」
「…冬…メンドくさ…。」
秋が呆れる。うぅ、せめて気にしすぎと言ってくれ…。
「冬はナィーブなんだ…。」
「まあまあ、一緒に考えよ?」
「仕方ないなー。」
秋が張り切って言う。
「ありがとー。恩にきる!!」
一人より三人!!これでなんとか…。
それから、10分…
…悩む人間が三人になったところで、進展はなかった…。
《山崎》
……何だろう、あれは。
ケーキ店の前で、三人で…。
一人は、確かに高梨…。
…悩んでいる…?
くるりと踵を返す。
会わなかった事にしよう…。
が、……既に遅し。
高梨に見つかってしまった。
「山崎!いーところへ!!
頼む!助けてくれーー!!」
…はああああぁぁぁ……。
「鈴、元気か?」
高梨が笑って言う。
「…元気だ。今日は留守番。…で?」
他の二人の方を見る。
「あ、初対面だったな。
山崎、こっちが亮で秋、俺の友達。
んで、秋と亮、こっちが山崎、俺の友達!」
「よろしく。」
「よろしく。司!いーかげんな紹介しないでくれる?!もう!」
…同感だ。
「よろしく。…で?何を困っている?」
早く片付けて、さっさと帰るに越したことはない。
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