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聖なる夜 5
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《亮》
「もう!司ったら!!
どーせ頼りになりませんよーだ!!」
帰り道、秋がむくれる。
…まあ…司はそんな気これっぽっちも持ってないと思うが…。
「お礼言ってたじゃないか?」
「……そう、だけど…。」
あの後、俺達にもブンブン握手して、
「ありがとー!!助かったー!!」
と言ってた司。
その上、ずっと長居したケーキ店の店員にも、長い間迷って、結局買わずにいてすんません!!と謝り倒してた。
だから、秋も司本人には、何も言えなかったんだろうな。
「冬も冬だ!!
具合悪いんだったら、連絡くらいしてくれたらいーのに!」
「気、使わせたくなかったんだろう?」
「水臭いったらない!!」
それを聞いて…嬉しくなる。
秋が、一歩踏み込んで心配してる。
「………あのさ、亮。
その…クリスマスの日…、ちょっとだけ冬のところに行こ?
水臭いって怒りに!!」
おやおや。
「ちょっとだけだよ!ね?」
伺うように、俺を見る。
本当は、冬くんの事、心配でたまらないんだろうな。
「…ダメ?」
「……クリスマスの予定は…。」
秋がごくりと息を呑む。
「…冬くんのお見舞いにちょっとだけ行って、後、買い物して、食事して、夜景を見る。
どうかな?」
それを聞いて、秋の顔がパッと輝いた。
でも、口に出すのは、反対の言葉。
「すっごいベタな計画!!」
「いや?」
「……しょうがない、付き合ってあげる。」
「ありがとう。」
天邪鬼の恋人。
可愛い過ぎる。
「わっっ?!!何!」
いきなり胸に抱く。
「……好きだよ。」
秋が、耳まで真っ赤になった。
「…………僕も…。」
……天邪鬼で、
意地っ張りな俺の…恋する人……。
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