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年上の人=SIDE H=
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わざわざ進学校の狭き門を突破して入学したのに、金髪に染めて合わないカラコンまで入れて、はっきりいって何が目的なんだろうと不思議だった。
初めて会ったのも、校門の前で形ばかりの検査をしていた時だった。
ダルそうな表情で、つまらなそうに欠伸をして校門に入ってきたのを捕まえた。
堂々と校則違反をしている男を取り締まらないわけにはいかなかった。
後から同級生に聞いたところ、この高校唯一のヤンキーらしい。
身長も高く、黙っていれば女子が騒ぎそうな男らしい顔つきをしている。
正直、こいつにアニキのことを知られたのはまずいと思った。
金品を出せと言われたら、出していたかもしれない。後腐れがないなら、そっちのほうがラクだ。
アニキにオレが脅されてると知られたら、何をするか、分からない。
なのに、この先輩は何を言い出すやら。
友達なんて1番信用していない。
オレとそんなものになりたいなんて、変わった人だ。
アニキはドヤンキーだし、オヤジはヤクザだ。それを知られて、いつも仲良くしていた奴らは壁をつくるようになった。
どうせ、オレも末はチンピラなんだろうと。
絶対にそんなもんにならねえと、心に誓ってここに来た。
だから、わざわざこんなとこにまで来てヤンキーをやってる男の気持ちなんか分かりはしないと思っていたのだが。
断った瞬間に揺らいだ表情に、一瞬胸を突かれた。
他人のことはどうでもイイとさえ思っていたオレの心へと入り込んできたのだ。
脅されるのは趣味じゃない。
人に指図されるのも、思ったようになっちまうのも、絶対に嫌だ。
だから、自分の意思で可哀想なくらい孤独を怖がっている先輩に告げた。
「仕方ないですね。そんなにお友達が欲しいなら、脅しじゃなくてなってあげますよ。」
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