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襲来=SIDE S=
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まさか、こんなに早く達成するとは思わなかった。
俺は、踊り場の掲示板を見て一瞬呆然と立ちすくんだ。
周りのやつらも俺をちらちらと見て、信じられないと驚いた表情を浮かべている。
「瀬嵐、オマエ、カンニングしてないよな」
確認するように、通りかかった担任が俺の肩を叩く。
「あ''ァ?ンなこと、するかボケ」
はらわたが煮えくり返って、思わず暴言を吐いてしまい周りの生徒たちがぐっと引いていく。
折角いい気分になってたのに、ホント、最低。
今日はサボって帰るしかねえな。
今日の昼休みは、また、長谷川のうなじを眺めて過ごしちまったから、明日の昼休みに屋上に行って、ダメ元でもう一度告白してみよう。
俺が頑張れたのは、アイツのお陰だ。
でもレッテルっていうのは簡単にはがれてくれないもんだ。
「だとしても、1学期に底辺だったオマエがおかしいだろ」
「マッパで試験受けても、同じ点数はとれンぜ。やってみる?そもそも、できねえなら答えかかねえよ。面倒くせえ」
納得いかなそうな担任に啖呵を切って、俺は帰ろうと教室に戻ってバッグを担いで昇降口へと向かった。
イイコトと悪いことっていうもんは、どうして一緒にくるもんなのだろう。
柄の悪い東高の連中に繁華街に出た瞬間に追いかけられて、路地裏まで追い詰められた。
人数は8人。俺が相手できて、2人がせいぜいだろう。
「一校のボウヤが、頭キンキンにして何イキがっちゃってるの?」
からかうような声と、いかにもワルそうな顔つき。
「秀才なのに、おバカな俺らの真似しちゃってェ。ちゃんとおうちで勉強してないと、ママに怒られるんじゃなあい」
喉で笑うような男たちの隙を目で探すが、そういうフォーメーションつくりには勘がさえているのか全く逃げ場が見つからない。
「るっせえなァ、汚い顔近づけてくんじゃねえ」
右サイドの空間を狙い、横の男に回し蹴りを食らわせて蹴り倒す。
よし。
相手が怯んだ隙に出口の光を求めて、一気にダッシュを決める。
が、ぐいっと襟を掴まれ地面にズサササッっと仰向けに引き倒される。
「イキがいいのは嫌いじゃないな」
真っ赤な髪をした男が、ぐっと俺の胸元を押さえ込んで俺を覗き込み、ナイフの切っ先を首筋に押し当てた。
「はなせ」
「やだよー」
冷たい金属で薄い首筋の皮をつつっと剥がすように、切り込みを始める。
殺される。
痛い。
「や……やめろ…っ」
恐怖だけが体を支配して、暴れることすらできずガクガクと震えが這い上がる。
狂気のような目をした男達は、面白がるように俺を見下ろしている。
「よくみりゃ、結構綺麗な顔してンじゃん」
ナイフをぐっと下げてばりばりと俺のシャツを引き裂く。
死にたくない。
死にたく…ねえ。
ガクガクと震える体を意地で止めることすらできなくなっている。
「……こ…ろさねえで……くれ」
「いいよ。ころさねえでやんよ。その代わり、可愛く啼いてね」
ぷちっとベルトをナイフで切られて、ズボンもパンツも剥ぎ取られる。
口の中に湿ったタオルを押し込まれ、頭がくらくらっとして周りのものがすべて霞んでいくのがわかった。
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