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落花流水=SIDE S=
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忘れさせてやると言った長谷川のセリフは、どう考えても俺を抱く気満々のセリフに他ならない。
長谷川は昨日のことは、ノーカンだと言い放ったが、全くなかったことにはなっていない。
男と女なら、ここで両思いになってハッピーエンドかもしれないが、俺は嬉しいと答えを返す気持ちにはなれなかった。
「……なあ、長谷川。俺はオマエが好きだ。そんでもって俺はオマエを抱きたいと思ってる。オマエのキモチはそれに答えてくれるものじゃねえよな」
答えは聞かなくても分かっていた。
それを受け入れるような性格ではないのも、手に入るものでもないことも、最初から分かっていた。
ちょっと驚いた表情を浮かべて長谷川は俺の隣に腰をおろして、天井を見上げる。
「僕が勃つかどうかが問題なのかと思ったけど、そういうものでもないんですね。こういうときは、どうするものなのかな、順番?どっちも男なんだし、入れたいのは本能として当然ですよね」
すっかり落ち着いたのか、口調もいつもどおりの優等生ヅラに戻っている。
「そういっちまったら、まあ、そうなんだけどな」
長谷川は、意外にも自分が入れる方だと主張することはなかった。
昨日のことは本当になかったことにしてくれているのだと思った。
「僕は貴方を可愛いと心から思ってます。だから、抱きたいと思うけど、無理に求めたりは出来ない。反対に、受け入れるのが、出来るかと言われたら正直 言って、難しい気がする。だから、付き合うのにセックスとか正直いらないかなって思う」
って、短絡的すぎるだろう。
「生物学的にも何も生まれないし。僕は先輩と一緒にいれたらいいかな」
いや、それは俺が嫌だ。
俺の好きは下半身も込みでの恋情だ。
そんなのに耐えられるはずもない。
あーーーーもーーーーーーー。
うだうだ考えるのも面倒くせえ。
「1回やっちまったら、100回やっても、一生やってもかわんねえ。オマエと繋がれない方が、よっぽどつれえ」
変わるとは思うが、ウダウダ考えてる自分がうぜえ。
ちらっと、隣に座る長谷川を見遣ると、俺の言葉を予測していたような、してやったりといった表情にぶつかり、俺は後悔した。
計画通りってやつか。
クソ、この腹黒優等生が。
「大好きですよ、瀬嵐先輩」
薄く柔らかい唇が俺のソレを包むように落ちてきた。
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