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朝飯=SIDE H=
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誠士さんは、コンビニのビニール袋をどさっとテーブルの上に置いて、部屋の端にある冷蔵庫を開けて勝手にコーラを飲み始める。
あまりのことに、呆然としている先輩に毛布をくるむように掛けて、
「誠士さん、一体全体何しにきたんです?」
「あー、慣れてるから。イイよ、ヤッてて。でも、セイハの焦った顔とか初めてかも。うん、いいもの見れた。あー、東流がさ朝飯セイハにもってけって言うから、オツカイしにきたの」
面白がるように言う様子に、深く溜め息をつく。
そうじゃなきゃ、あのアニキの親友なんてできるわけがない。
「それにしても兄弟揃って、男とデキちゃうなんて長谷川家は大丈夫?」
ざらざらとコンビニ買い占めてきたんかという量の食い物を並べて、呆れたように言う様子にオレは苦笑を浮かべる。
「アニキは今更でしょう。てか、量多くないですか」
「そうか?東流と康史はこの倍は食うぜ。あいつらの胃袋はブラックホールだ。ビックリさせちまってごめんね。俺は野口誠士、セイハのアニキのダチだ」
興味をもったように、毛布の中の先輩の方に歩み寄り、優秀なコミュ能力を発揮する。
「あ…俺は瀬嵐成春です。…メシありがとうッす。腹減ってました」
先輩は顔を恥ずかしそうに紅潮させて、素直に礼を言う。
「セイハ、コレ可愛いね。オニギリあげてみていい?」
小動物に餌をあげるノリで、誠士さんは、オニギリを剥いて先輩に差し出し、ニコッと笑う。
つか、この人危ない。
先輩は警戒もなくオニギリを受け取ってぱくっと口にする。
「誠士さんっ!」
「からかうと面白いな。大丈夫、とらねえから。俺にはミカちゃんという可愛い彼女がいるしね」
もう一つオニギリを剥いて俺に差し出す。
アニキと変わらない身長と格闘技で鍛えられた身体は、それだけで威圧感がある。
オレはむくれたようにオニギリを口にする。
味はシーチキンだ。
「ずっと気になってたんだけど、ココってオマエの家じゃないのか」
「僕の家にはエアコンないですよ。ここは、アニキの彼氏の部屋です」
もぐもぐとメシを食べる様子を眺めながら答える。
「へえ……オマエのアニキって、北高のハセガワだよな。彼氏……って」
驚いたような表情を浮かべる先輩の顔についたご飯粒をオレは摘まんで口に含む。
「だから、あんまり気を使わなくても大丈夫」
「康史の部屋は、俺も自由に使ってるし。基本あいつら部屋でセックスしかしてねえし。色々オモチャとかいっぱいココに入ってるぜ」
誠士さんは勝手知ったる様子でベッドヘッドの小物入れを開いて、どっさりと入っている大人のおもちゃを見せびらかす。
てか、アニキこんなの使われてるのか。
引きそうになるのを辛うじて留める。
「あいつらサルだからな。さて、俺は帰るけど、康史が車で送るから待っとけって、伝言。予備校が15時までらしいからさ」
「ヤッちゃん進学するんだ」
アニキは就職するといってたから、ヤっちゃんも就職するものだと思っていた。
「セイハみたいに勉強は得意じゃないだろうけど。俺と康史は、東流に合わせて高校選んだわけだから」
「本当に仲良いよね、三人とも」
「東流が、天然だからね。俺らが一緒にいねえと心配だし。じゃあ、食い切れなかったら冷蔵庫入れといてね。またね、セイハ」
人好きのする笑顔を振りまいて誠士さんは部屋を出て行った。
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