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緊張2=SIDE S=
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ザーザーザー。
ボディータオルで泡を擦り付けながら、頭からシャワーをかぶる。
フラバなんてカッコ悪ィことになって、イメージトレーニングもしたし色々逆療法とかも試してみたりもした。
自信あるって言ったら嘘になるが、自信ないなんていえねえ。
誘ったのは俺だ。
シャワーを止めてバシャンっと勢い良く湯船に飛び込んで、大きく深呼吸をする。
あの時も風呂場で、西覇のやつに抱かれたのはなんとなく覚えているのだが、肝心なことは殆ど記憶にない。
ただ、大丈夫と背中を撫でてくれた手のひらだけしか覚えてない。
とりあえず、まあ始めちまえば何とかなるか。
湯船からあがると、バスタオルで体を拭いていつも着ているトレーナーと下着とスエットを履く。
とりあえず、少し間を持たせようかと冷蔵庫からペットボトルを二本取り出し、自室のある二階へとゆっくりとあがっていく。
無駄に心臓が早鐘を打って、アホなくらい緊張している。
死刑台にあがる、死刑囚かってくらいの緊張。
いや、待っているのは、俺にとって幸せなことだから死刑なんかじゃねえんだけども。
「ほらよ、飲むか」
部屋の扉をあけると、ベッドの淵に腰を降ろして落ち着かない様子の西覇に向けてぽいっとボトルを投げた。
正直言って、くだらねえことでも西覇が妬いてくれたのは本当に嬉しかった。
妬く必要もねえことだけど、独占したいといわれた瞬間に胸の中が踊るような気持ちになった。
ペットボトルの蓋を捻ってあけると、炭酸オレンジを軽く一口飲むとテーブルに置いた。
「西覇、コレ」
机の上に置いておいたローションの瓶を手にとって、西覇の横にぽいっと投げ置く。
少し濡れた黒髪は艶やかで、メガネを外した鋭い目は射抜くように綺麗だ。
俺の心臓が壊れちまいそうにばくばくしているが、年上の余裕を醸し出したい気持ちでいっぱいである。
「成春……」
背後からがばっと抱きつかれ、驚いて俺は思わず体をこわばらせる。
落ち着け。
大丈夫だ。余裕をもてよ。
俺は心で何度もエールを自分に送った。
「無理、しなくても大丈夫」
耳の裏あたりに唇を寄せられ、軽く耳たぶを含まれると力が抜けそうになる。
「怖かったら、怖いって言ってください。止められるかわからないけど……」
意思の強いこいつは、俺がフラバって怖がったら絶対途中でまたやめちまうだろう。
そんなのは、嫌だ。
絶対に、イヤだ。
覚悟も決めた、決意もある。だから、台無しにしてまた情けない姿を晒すのはいやだ。
「馬鹿、止めンな……最後までヤレ。俺が泣いても暴れても……オマエのモンにしろ」
俺は振り返って、西覇の唇に自分のそれを重ねて、下唇に吸い付くように口に含んだ。
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