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18歳以上ですか?
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危機=SIDE H=
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杉村の話の通り、副会長は東高のやつらと懇意にしていることは確かだった。
今日、オレの教室にやってきたやつらといい、成春のとこで暴れていた親衛隊といい、副会長は本当にとんでもなく厄介な人物そうだ。
成春は果敢にも一緒に戦おうとはしてくれていたけど、指先まで震えていて、多分、あの日のことを思い出しかけていたのは明らかだった。
手刀で落とした体を抱えて近くの路地の隅へと降ろすとコートを脱ぎ、眼鏡を取って成春のコートのポケットへと入れた。
そして、路地から出ると目の前で様子を伺っていた男に近寄った。
「僕に用事ですか」
「俺たちの雇い主が、オマエをボロボロにすることをお望みなんでね」
間合いを詰めながら寄って来るのは、18人くらいか。
流石のオレも自信なんてまるでない。
杉村から聞いた話から対策はしようと思っていたが、今日の今日とか早すぎるだろ。
どんだけ用意周到なんだ。あの副会長さん。
「一高の1人相手に何人集めてきたんですか…」
「楠木君が、結構強いというんで、念のためかなァ」
オレの顎をとらえて、ぐっと突き出してくる腕をオレは捕らえて、一気に脚を入れ替え投げ飛ばす。
「ッ!!!」
「佐山さんが!!!貴様ァ、優等生と思って優しくしてみりゃあ」
襲い掛かってきた単純な男の体を払い、当身で転がし次にきた男の頭に腕をかけ、ドロップキックを鳩尾へと叩き込む。
「ええ。1年では首席をキープしている優等生ですので、優しく扱ってくださいね」
起き上がりそうになっていた佐山という男のわき腹に蹴りを入れて、ナイフを手にしてきたモヒカンの男の腕を捻り上げ、手にしていたナイフを奪い右肩に刺して返す。
背後の気配に、軽くジャンプをして相手の背中に回し蹴りを決める。
たった3、4人倒しただけなのに、オレの息はあがってきている。
なにしろ、やつらも喧嘩が商売のようなもんだから、繰り出してくる攻撃をかわしながら反撃に転じるのは苦難である。
「ぶっころされてえのか。この!!真面目くんが!!」
あんまり悪口にも聞こえないが、罵倒しているつもりなのだろうか。
「マジメに生きてるので、真面目で結構ですよ」
後ろから制服を引っ張る男の顎に頭突きを食らわせる。
同時に腹へと拳を繰り出した男の攻撃をかわすが、もうひとりの男が、オレの背後からわき腹へとナイフを突き刺す。
ぐちっと嫌な音が聞こえ、生ぬるい感触がオレの膚を伝っていく。
手で触れると真っ赤に染まっていく。
殺される?
……ぶち殺す……
カッと目の前が真っ赤になり、オレは拳を振り上げ、ガツガツと目の前の男を叩き潰す。
「……痛ェんだけどぉおおおお!!!!」
なんかよくわからない棒をオレに向かって叩き込んできた男の棒を掴んで、めしゃっと棒を折り、男の顔に一発食らわせ、奪った棒で目の前の男を滅多うちにする。
こんなとこで、死んでたまるか。
ふざけんな。
だらだらと生ぬるい液体が流れてでていくのがわかる。
刺さったナイフは、ぬかねえほうがいいかな。
失血死はゴメンだ。
「いってえ……ふざけんな……マジいてえ」
腹を殴って昏倒させ、掴んだ男を振り回しながらオレはわめきちらし、4、5人かかりで体を止められるまで、目の前の敵を殴り続ける。
……やべえ…力はいんねえ……
視界が狭くなっていく。
暗くなってく……。
成春………。
こんなとこで……死にたく…ねえよ……。
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