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レッスン
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朝。
小春日和の穏やかな陽が射す中で、待ちきれずに家の外で大輔さんを待っていた。
ふと、思い立って携帯をポケットから取り出す。
『お兄ちゃん、ちょっとだけ、わかった。』
久しぶりにお兄ちゃんにメッセージを送った。
『凄く幸せ。俺、少しだけ、気持ちが分かったよ。』
携帯を胸に抱く。
大輔さんに抱きしめられて裸で抱き合うと、心がひとつになった気になる。
そして、おしりでの受け入れ。
まだ最後までしてないけれど、愛する、そして愛される幸せが分かってきた。
ピロン。
『いまの気持ちを大切にね。』
うん。
お兄ちゃん、ありがとう。
もうすぐ、約束の10時になる。
顔を上げると、大輔さんの車が遠くに見えた。
遠くすぎてわからないかもしれない。
でも。
大きく手を振った。
キラッと太陽の光が反射して、眩しく輝いた。
あそこに俺の太陽がいる。
俺の大好きな大好きな人。
何となく、大輔さんが遠くから笑ってくれた気がした。
幸せ。
俺、幸せだよ!
穏やかな朝。
俺と大輔さんの一日が始まる。
「お待たせ。」
「おはよっっ。」
ふたりで微笑みあう。
「ほら、乗って。」
「うん!」
ふたりを乗せて車が走り出す。
幸せな幸せな一日が始まるんだ。
「よく寝たか?」
「うん!ぐっすり!」
頭をくしゃくしゃに撫でられて笑った。
本当、好き!
大好きだから!
「ね、ラジオつけてもいい?」
「どうぞ。」
ラジオから流れてきた90年代のナンバー。
曲名は知らないけど、聞いたことがあって、何故だか今日は心に響いた。
「ねぇ、キスして?」
「ブハッ。お前、可愛いな。」
信号待ちでキスのおねだり。
「大好きだよ。」
曲とリンクする。
嬉しくて、重なった唇を追いかけた。
「だーめ、後からな?」
あぁ、好き。
好きで好きで堪らないよ。
「これから映画行くぞ。」
「映画?」
「そ。多分、お前も俺も知ってるアニメ。」
生きてきた世代は違っても、重なっているものはある。
「え、どれだろ?」
スマホで検索してみると候補が2つ。
「シティーハンターとドラゴンボール!」
「そ。シティーハンターに付き合えよ。」
「うん!」
マンガで読んだこともあるし、再放送もみたことがある。
たしか・・・
「もっこり?」
「ブハッ!通じ合えて嬉しいよ。」
ご機嫌の大輔さん。
そんな彼を見て俺も幸せ。
「楽しみ!」
映画もだけど、大輔さんと見るスペシャル感が、凄く嬉しかった。
ね、こうやって思い出って出来るんだね。
ね、大輔さん。
運転中の横顔を見つめる。
「ん?」
視線を感じた大輔さんが、ちらりと俺を見てくれた。
「んーん、なんでもな〜い!」
今日のレッスンはもっと過激になるって言ってた。
俺、頑張る。
そして
3月2日に大輔さんと一緒に朝まで過ごす。
光太郎は、キラキラとした未来に思いを馳せたのだった。
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