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新しい、いちにち。
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入社式は、照明とか音楽とかマイクとかの操作をする人がひとりついていればいいと言うことで、今度は懇親会の会場のお手伝いをすることになった。
こちらも照明、音楽、マイクの操作が必要なのと、ドリンクを作る人や、バイキング形式のお食事だから、お皿の補充だったり、逆に下げたりする人が必要らしい。
「こっちも、てんやワンワンになりますか?」
そう桑原さんに聞いたら目を丸くしてから、笑われた。
「ああ、てんやワンワンだね。」
そっか。
頑張ろ。
「こういうのやったことあるの?」
「ないです。」
「じゃあね、汚れたお皿を下げることだけをやってね。お料理の補充とか、ドリンクは、今度時間を見てコツを教えるから。」
バックヤードからこっそり見ていると、お客様がどんどん会場に入ってきた。
みんなおれと同じくらいの女の子が多い。
「いい?必ずトレイに乗せてお皿は下げてね。お皿だけ持っちゃダメだよ。」
「はい。」
「お皿を下げるときは、一言お客様に断ってね。」
あ、お皿を下げてよろしいでしょうか?
「惜しい、不正解。『空いたお皿をお下げします。』くらいでいいよ。」
そっか、だって汚れた空っぽのお皿だもん。下げて当然だけど、無言で引いたら無愛想だもんね。
「分かりました!」
そんなわけで、おれははじめて飲食する場所に投入されたのだった。
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