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「大輔さん、これからお仕事なの?」
ラーメン屋を出て、これからどうするのか尋ねると寂しそうな顔をした。
「いや、今日はもう帰ろうかと思ってるよ。」
「そっか・・・。」
「うち、くる?」
悲しそうな様子に思わず手を差し伸べてしまった。
あっ!と思ったときには言葉は先に出ており、光太郎の顔が輝いていた。
「いいの?!」
全くこの子は警戒心というものが無い。
無邪気な目をして見上げてくるのだ。
「電車乗り継ぐよ?いい?」
「うん!」
内心、やれやれ。と思った。
仕方ない、映画でも観せとくか。
「じゃ、親御さんに遅くなることを連絡して。帰りは送ってくから。」
「え?悪いよ。」
「いいから。未成年は言うこと聞いてればいーの。」
納得したのかしてないのか。
嬉しそうな顔をして唇を尖らせている。
「いででっ」
突き出した唇を摘むと大袈裟に痛がった。
「はい、連絡!」
「はぁい。」
甘えるこの子は、不思議な子だ。
不思議と嫌じゃない。
逆に好ましく思える。
何となく嬉しくなり、コンビニでお菓子をふたりで選んでから電車に乗った。
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