アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
15
-
ふふ、嬉しい。
ひとりになると、どうしても小夜さんの事を思い出す。
そして同時に、あの告白のシーンがフラッシュバックするのだ。
大輔さんと一緒にいると楽しくて忘れられた。
ほんの少しでいいから、胸の痛みを忘れて、笑いたかったのだ。
優しいな。
俺のワガママに付き合ってくれる、優しいお兄さん。
仕事も出来て、経営とか難しいことをして。
でも、俺の目線に降りて話をしてくれる。
憧れる。
大輔さんみたいな、素敵な大人になりたいと思う。
大輔さんの横を歩きながら、見上げた。
俺も、もうちょっと身長伸びないかなぁ。
「ねぇねぇ、大輔さん。」
「なに?」
「身長って、いつまで伸びた?」
うーん。
大輔さんが唸る。
「22とかかなぁ。」
「じゃあ、もうちょっと伸びるね!」
「たぶんな。」
頭を くしゃりと撫でられて、耳を引っ張られる。
「いたたっ!」
「好き嫌いなく食べて、夜寝ること。だぞ。」
「はい!」
お利口さん。
褒められて嬉しかった。
「えへへ。」
「不気味だな。」
「酷い!」
些細な言いあいが、とても楽しかった。
「ここ。」
大輔さんの家は、雑居ビルの中だった。
見た目、全然人が住むビルに見えない。
1階にスナックとバー。
2階もスナック。
3階が泌尿器科の病院。
目が丸くなる。
「5階ね。」
狭いエレベーターに乗り込んで5階を押す。
5階に着くと、扉は1つしかなかった。
「どうぞ?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 872