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力を失った恋人を抱き上げて、風呂から出た。
気が抜けて気を失っているだけだと思うが、不安でならない。
とにかくベッドに寝かせなければ。
優しくベッドに下ろして、毛布を被せた。
俺には年下の恋人が出来た。
俺が41、光太郎は18。
その差、23。
ふた回り近い年の差なのに、果たして許されるのだろうか。
まあ、どうせ。
男同士の恋愛は世間は冷たい。
この際、もう一つ罪を背負っても構いやしないだろう。
そのかわり。
この子には苦労はさせない。
大事に大事に育んでいく。
たぶん俺が振り回されていくんだろう。
いま思えば、小夜との事は光太郎と出逢うための必然的な失恋だったんだろう。
おかげで、宝物を手に入れた。
「ん・・・、あ。大輔さん。」
甘い声で抱きしめてくる可愛い子を。
彼の名前は、財津 光太郎。
可愛い、可愛い、俺の恋人だ。
「目ぇ覚めたか。このやろ、焦らせんなよ。」
「ふぎゃっ!ひゃな、つままにゃいでっ!」
「可愛いな、お前。」
「ん・・・もっとっ!」
ほら、キスだってどんどん上手くなってきた。
これは育てがいのあるヤツだ。
「・・・光太郎、お前、卒業式はいつだ?」
「んっ・・・3月1日。」
金曜日か。
「じゃあ、翌日にセックスするぞ。」
「・・・それまでしないの?」
ふふ、可愛いヤツめ。
「高校生とセックスしろってか?」
「ふふ、校則違反かな?」
「たぶんね。」
コツンと額をぶつけ合って笑いあう。
「卒業記念で気持ちよくて死にそうになるくらい、イカせてやるよ。」
「ふふ、大人って怖いな。」
そのとーり。
大人はズルくて、賢くて、経験値豊富なんだ。
お前が生まれる前からセックスしてるんだ。
なめんなよ。
「セックスって気持ちイイの?」
「そうだな・・・ちょっぴり痛くて、すっごく気持ちイイかな。」
「そっか、俺、はじめて。」
「知ってる。」
毛布ごと抱きしめると膨れられた。
「やだ、一緒に入って。」
「仰せのままに。」
裸の肌が触れ合う。
・・・卒業まで待てるかな。
このまま食っちまいたい。
「俺、何にも知らないんだから。」
「いいよ、俺が手取り足取り、仕込んでいくから。」
「ふふ、仕込むって、怖いなぁ。」
鼻を噛むと噛みかえされた。
耳を齧ると齧りかえされる。
「実地学習?」
「そ、分かりやすいだろ?」
ほら、俺たちは相性バツグンだ。
これからお前は、新しい環境に入って世間を少しずつ知っていく。悲しくなることも悔しくなることも、たくさんあるだろう。
それらは全部、俺に吐き出してしまえ。
そうしたら俺が、骨の髄まで愛してあげるよ。
「あっあっあっ!!擦ったら、出ちゃう!」
「違うだろ、イクッて言うんだ。」
「イッちゃう!イッちゃう!」
「もう少し、耐えなさい。」
「やーっ!!」
ほら、ちょっぴり痛いお仕置きは蜜の味だろ?
「・・・イジワルッ!」
「好きなくせに。」
ふたりで過ごす時間は、甘い甘い蜜の味。
今まで冷たい風が吹いていた、心の隙間がなくなった。
「大輔さん、だーいすきっ!」
ほら、心が温かくなる。
「俺も大好きだよ、光太郎。」
ふたりでずっと一緒に。
これからも、ずっと。
ぐぅ。
ぎゅるるるるるッ!
「ハッ!!」
ブハッ。
「ほら、メシ食いに行くぞ!」
「わんっ!」
これが俺たちの幸せなストーリー。
俺と、光太郎の物語。
終わり。
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