アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
嫌な予感 大輔編 (暴力的な表現が苦手な方はスルーしてください)
-
俺の勘は当たる。
嫌な予感がするときには、確実だ。
結(ひとし)の時もそうだった。
朝練で早くに家を出た俺が、嫌な予感がして家に帰ったら、真っ赤になって倒れていた。
金品目的で入った泥棒から、やられたんだそうだ。
風邪をひいて寝てた弟を、命を奪うまでやる必要は無かったんじゃなかろうか。
警察が犯人を捕まえたが、その生温い判決に世の中が嫌いになった。
両親は結の件があって、離婚した。
母親が最後まで結の位牌を離さなかったが、奪って東京へ逃げてきた。
そこから必死で働きながら学校へ通い、血を吐く思いをしながら美容師になった。
「お兄ちゃん、おれ、美容師になるんだ。」
結の夢だったからだ。
美容師になった俺の次の目標は、自分のサロンを持つことだった。
必死で技術を習得し、毎週月曜には薬関係の(染髪剤)会社が主催する勉強会に参加して、知識を増やしていった。
アシスタントからスタイリストになり、トップスタイリストになるまで、死にものぐるいに頑張った。
資金を貯め、指名してくれる顧客を大切にし、ようやく実現したのが、いつも俺が立っている美容室だ。
そこから展開して学生向けの安価な美容室と、学生向けのネイルとオイルマッサージのサロンを出した。
次の目標は、同性愛者が結婚式を挙げれる式場を作りたかったからだ。
ブライダルエステから、ネイル、着付け、ヘアセット、メイク。
総合的なサービスを提供できる場所を作るための布石だった。
安価な料金設定にしたのは、数をこなす為。
数をこなせば、手技も磨かれる。
スタッフを育てて、次の段階へ進みたかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
45 / 872