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節分Night 加藤編
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咲ちゃんとやってしまった、節分祭!
俺のアパートに呼んで、ふたりでスーパーで買い物をした。
ふざけてカゴに鬼の面付きの豆を入れると笑われた。
「恵方巻き、食べるよね?」
「おう!」
俺の住んでいた地域は恵方巻きの文化が無い。
なぜ無言で食わないといけないのか意味がわからないが、咲ちゃんとやってみたかった。
インスタントの吸い物もカゴに放り込んで、手を繋いで帰った。
ふふ、加藤くんてば可愛いんだから。
まさかこんな大人になって節分するなんて思ってなかった。
一緒に具沢山の恵方巻きを選んで、手を繋いでアパートに帰る。
この道も随分慣れた。
スーパーも、どこに何が売ってあるのかばっちり把握も出来ている。
加藤くん、さりげなく車道側を歩いてくれる。
そういうところ、好き。
部屋には私専用のものが増えてきた。
私のコップ、私の歯ブラシ。
私のお皿。
ふたりで並んで、うがいする。
ひとつの鏡に映る私たち。
お似合いのカップルなんじゃないかしら。
鏡ごしに微笑みあって、すごく幸せ。
今年の恵方巻きは東北東らしい。
スマホで方位を確認してから、かぶりついた。
ブハッ。
咲ちゃん、可愛い。
横目で見ると必死に食べている。
大きく膨らんだほっぺを見て、違うところが反応した。
うっわ、激エロ!
俺の咥えてるみたいじゃないか!!
いや、ここまでデカくないけどさっ。
マジエロ。
咲ちゃん、襲いたい。
真剣に食ってるから、ここは我慢だ。
きっとここで襲ったら叱られる。
さっきから、ちらちらちらちら見ないで欲しい!
私は真剣に食べてるのよ!
加藤くんと幸せな毎日が過ごせますように。
そんな思いで食べてるのに。
最後の一口を詰め込んだ。
ふぅ・・・。
ちらりと加藤くんを見ると、真剣な表情で私を見つめていた。
「雅也くん?」
「咲ちゃん、可愛いッ!!」
抱きしめられて焦った。
「こ、今夜は泊まれないよ?」
「朝帰りしよ。一緒に出るから。」
もう、わがままなんだから。
耳を噛まれて諦めた。
だって、好きなのどうしようもない。
「・・・あとで鬼になってくれる?」
「思いっきりぶつけて良いよ。」
「約束ね?」
ふたりの節分祭。
鬼は外、福はうち。
でも。
「鬼になっても、雅也くんは外行っちゃダメだよ。」
あぁ、俺、メロメロ。
風見と杉さんが繋いでくれた縁。
今夜もそのご縁に感謝して。
「咲ちゃん、大好きだよ。」
「私も。」
深くなっていく夜に、そっと身を任せた。
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