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2月19日
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『ね、光太郎くん。22日のオリエンテーションで会えるよね?』
『うん!行くよー!』
お兄ちゃんからのメッセージ。
家でピアノの練習をしている時に連絡が入った。
練習曲の楽譜を閉じて、ソファにごろりと寝転がった。
今はお母さんは外出していて、少し伸び伸びできる時間だ。
もうすぐしたら、自分の部屋に上がらないといけない。
あ、そういえば。
『学校に行くんだよね?』
入学金を納める納めないのすったもんだがあってから、俺宛の手紙は俺に直接届かなくなった。
だから、日にちと時間を伝えられて慌ててメモしたが、場所って聞かなかった気がする。
『違うよ、近くの博物館の中にある講堂であるからね。』
良かった!
危ない、ひとり迷子になるところだった。
『わ、間違えて覚えてた。お兄ちゃん、ありがとう!』
地図と時間も一緒に送ってもらってホッとした。
洋服の記載ってあったのかな?
『制服で行ったら良い?』
『うーん、私服で大丈夫だと思うよ。』
そっか、私服。
学校に行き出せば、学校に関する書類は直接自分にもらえる。
だから大丈夫だけど。
俺宛の手紙、何が届いてるんだろう。
ため息が出た。
ま、仕方ないか。
俺、専門学校受験したし。
後悔はしていない。
だって、あと2年したら大手を振って家を出ていけれる。
お金、貯めなきゃ。
アルバイトもしなきゃ。
学校と両立させるためには、土日と夜に働ける仕事をしないといけない。
でも、大輔さんと逢える時間が減るのは困る。
どうしたら良いか、なんの職業なら大丈夫だろうか。
やっぱり居酒屋さんとか、かな?
料理は得意だ。
とりあえず、オリエンテーションに出てから考えよう。
携帯を胸において、まだあちこちの筋肉が痛む中、眩しい室内で目を閉じた。
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