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入学式前のオリエンテーション
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「教科書買ったりジャージ買ったりしないといけないけど、親御さんと一緒に行ける?」
ドキッとした。
お兄ちゃんと駅前のカフェへ向かう途中で、今日のオリエンテーションの話をした。
お母さんと一緒に行く様子は、全然想像つかなかった。
お父さんなら、どうだろう。
でも、仕事してるし、買うだけだからひとりで行ける。
「うーん、多分お金貰ってひとりで買いにいくことになると思う。」
そう答えながら、足元の石ころを蹴った。
コロンコロンと転がって、ピタリと止まる。
止まった様子が俺に見えた。
「そっか。」
今日もらった書類、後で写真に撮ってからお母さんに渡そう。
お金が掛かること、嫌がられるかな・・・。
少し、大輔さんのことをお話できた。
抱かれて幸せだと思うこと。
おしりを使うことの意味が分かって、それでも幸せを感じること。
イジワルな事を言われたりもするけど、すごく愛してくれてて。
「すごく、ね。大輔さんのこと、もっと好きになった。」
そういうと、お兄ちゃんは嬉しそうに笑ってくれた。
俺の、大切な理解者。
「・・・光太郎くん、スーツ持ってる?」
「すーつ?持ってないよ。」
今まで制服だったから、考えも及ばなかった。
そっか、スーツ・・・。
「おれの使っていいからね?でも、もう高校卒業するから、本当は1着は持っていた方が良いんだけどね。」
そう言われて納得した。
「もしかしたら親御さん、買う準備されてるかもしれないから、一度聞いてみたら良いよ。」
どうだろう?
お父さんもお母さんも、考えてくれてるのかな。
なんとなくしっくりこない関係。
お父さんとは、だいぶ大輔さんのおかげで話をするようにはなった。
それでも、遠慮してしまう。
だって、俺は、前の奥さんの子どもだから。
「うん。」
そう返事をしながら、光太郎はどう話を切り出したら良いのか悩んでいた。
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