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2月24日
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「ふぅん、それで悩んでたのか。」
どうりで光太郎の母親を見たことが無かったその理由がわかった。
このぽやっとした子が、家族との事で悩んでたとはな。
電話口の光太郎は、元気がなかった。
金曜の報告のメッセージも送ってこず、土曜の朝のメッセージも形式的で、こりゃなんかあったな。と踏んではいた。
とりあえず土曜と日曜の午前中は予約がいっぱいで、心身ともに余裕がなく放置していたが、午後から客がひいたので電話をしてみたのだ。
なるほど。
光太郎のやけに甘えん坊な部分が少し分かった。
そして、父親と対して年齢の変わらない俺に夢中な原因も、もしかしたら家族に対する愛情の飢えからきているのかもしれないと冷静に考えた。
2年待たずに引き取るか・・・。
15歳以上であれば、自分の意思で養子に入ることはできる。
だが、家庭裁判所が許可するかどうかが分からない。
さて。
どうするべきか。
金ならある。
光太郎ひとり養うのなんて簡単だ。
学校も行かせれるし、不自由な暮らしはさせない。
だがなぁ。
母親はともかく父親は話が通じる人のように思える。
いっちょ話をしてみたほうが良いのかもしれない。
「光太郎、とりあえず出掛ける準備をしておけ。詳細は後で話すから。」
『うん、分かった。』
電話を切って、常連のお客様の予約が入っていないことを確認すると、受話器を取った。
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