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2月25日
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月曜の昼頃、光太郎の父親から電話があった。
俺と父親で翌日の26日に話し合いをする。
心変わりして、やはり手元に置いておきたいと言うのか、それとも正式にお任せしたいと言われるのかは分からない。
昼寝をしている光太郎の頬をそっと撫でて、立ち上がった。
後者の場合であるなら、早急に部屋を空ける必要がある。
下の空きテナントに手を入れるか、ここに手を入れるか。
さて、建築士を呼んで、リフォーム計画を進めるとしよう・・・。
何にせよ、光太郎に不自由な生活はさせない。
窓辺に立ち、電線の横切るゴチャゴチャした地面を見た。
汚ねぇ世界だけど、確かに希望はあるのだ。
俺には光太郎が。
そして、光太郎には進んでいく明るい未来が。
「・・・ん、だいすけさん・・・。」
振り向くと寝起きのボサボサの頭の光太郎が、ふわりと笑ってベッドから起き上がっていた。
「腹がいっぱいになったら寝るって、お前子どもだなぁ。」
「成長期だから寝ないと大きくならないもん!」
ブハッ。
可愛いヤツだよ。
飛び跳ねた髪を引っ張る。
痛がる様子が可愛くて、ギュッと抱きしめた。
「明日、お前の親父と大人の話をするんだ。どんな風に転がるか分からないが、お前が幸せになれるように努力する。」
「・・・お父さんと喧嘩になったりしない?」
背中をさすった。
「ならねーよ。安心しとけ。」
「うん。」
まだまだ18といえば子どもだ。
年齢差を考えれば自分の子でもおかしくない。
なのに。
お前のことが、好きで。
手放す気にはならなかった。
賽は投げられた。
光太郎の甘い香りを吸い込みながら、これからのことに思いを馳せたのだった。
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