アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
4 ※
-
「スーツはもうひとりで取りに行けれるな?」
「うん、大丈夫!」
財布から引き取りのレシートを渡した。
「来週の金曜だよね。」
「そ。体操服は出来上がり次第連絡なんだろ?」
「うん。いよいよ入学だね。」
入学式か。
ふと、位牌を置いてある方向を見つめた。
生きていれば、お前も、学校に行ってたよな。
夢に向かって。
「・・・光太郎。俺の弟な結(ひとし)っていうんだ。」
「ひとしさん。」
「そう。こう書くんだ。」
結。
「むすぶ?」
「そう。」
懐かしい。
ふたりでゲームしたり、映画を見たり。
「仲が良かったんだ。可愛い弟だったよ。」
目の前に蘇る暗い光景。
「光太郎、約束してくれないか。」
「なに?」
「戸締りは毎回きちんとすること。そして、俺より先に死なないこと。」
涙目で見上げてきた顔を両手で包んだ。
「約束、して。」
こくこくと頷く目から、ぽろっと涙がこぼれた。
「約束、する。ちゃんと大輔さんを見送ったら、鍵かけるね。」
理由を聞いてこない光太郎。
その優しさが、嬉しかった。
もう少ししたら、世間話をするように話しが出来るかもしれない。
もう少ししたら、ちゃんと話すから。
もう少しだけ、喪に服させてくれ。
「頼むよ。」
薄く開いた唇を啄ばんだ。
多分、光太郎を失くしたら俺の心は死んでしまうから。
結のときに、死んだように。
「大丈夫、俺は死なないから。」
そう言って抱きしめてくる光太郎は温かい。
「大輔さんも死なないでね?」
「俺は死なねぇよ。悪運、強いんだ。」
そう言って、唇を首筋に這わせた。
「あぁんっ」
「好きだ。」
「ん、お、れも。」
目の前のエアベッドに張り付けた。
アロマオイルを使って、追い込んでいく。
生きていることを確かめるように、まさぐり、這わせ、いたずらに嬲っていく。
「ま、だ、綺麗にして、んんっ!」
「お前は綺麗だよ。」
まだ柔らかな穴に、そっと指を差し入れて、その温かな胎内を探っていく。
「あっ、あ、ぁあ!」
オイルで拓れていく体。
あたりに充満するのは、ローズの香り。
むせ返るような花の匂いのなかで、俺たちはひとつになっていく。
突き動かすのは、生きている証。
その情熱を光太郎に叩きつける。
光太郎も必死で追いかけ、求めて。
「あぁッ!イクッ!!」
ギュウギュウに絞り込まれる。
息を詰めて耐え、奥へと進む。
命の先へ。
光太郎のナカへ。
そして、俺の命を光太郎のナカに注ぎ込んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
108 / 872