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建築屋との打ち合わせは、順調に進んだ。
図面を渡し、大体の間取りを決めて、見積りを依頼したところで今回は終了した。
間取りは、こだわった。
家に帰って、光太郎に話をして、実際に図面が出来上がったら壁紙の色や扉の色を相談しようと思っている。
楽しみだ。
光太郎のトイスペースも作る予定にしている。
ふたりでゆっくりと映画を観れるようなスペースも考えた。
4階と5階を中で階段を作って繋げるようにした。
建築屋が実際に詳細に計算して可能か確認すると言っていたが、それが出来れば最高の間取りになる。
喜ぶ顔を思い浮かべる。
早く伝えたい。
そう思いながら、光太郎の待つ家へと帰路を急いだ。
※ ※ ※
「よぃしょ。」
手を伸ばしてテレビの後ろを拭いたあと、キャビネットの扉に順番に雑巾をかけていく。
真っ白の扉も、拭いてみると意外に汚れているもので、夢中で磨いているとあっという間に時間が過ぎていく。
引き出しの扉を拭いていたら、書類がちょっと飛び出しているのが見えた。
ちゃんと仕舞おうと引き出しを開けて書類を奥に入れると、途中で引っかかった。
「ん?」
書類を取り出して引っかかっている原因を確認すると、小さなカードケースが邪魔しているのが分かった。
取り出して向きを変えようとしたら、白いカードが床に落ちた。
「あ。」
拾って目を見開いた。
『篠崎司法書士事務所 杉 小夜』
そこにあったのは、お兄ちゃんの名刺だった。
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