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晋作の憂鬱
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高校卒業してすぐに、研修に入った。
お辞儀の仕方や、いわゆる礼儀作法を学んで、新聞の読み方も習った。
ホテルマンとして、世界情勢、経済の動きは勉強するように言われて、あっぷあっぷしながら座学が終わり、あっという間に実地研修が始まった。
おろおろしながらお客様の荷物を運んだり、フロントを案内したり、タクシーを呼んだり。
単純作業にみえて、結構覚えることが多かった。
そんな時、お荷物を運んだお客様のひとりが
「ガンバッテ。」
と肩を叩いて励ましてくれた。
綺麗な金髪のカッコイイお客様。
お幾つなんだろう。
でも、たぶん凄く年上。
落ち着いた感じ。
なんていうか、紳士?
貴族?
そういう雰囲気のある大人のお客様。
なんだか憧れてしまって、ジッと見てしまって、ハッと気付いて目線を外しての繰り返し。
ドキドキして、堪らなかった。
そんな中、なんとなくトンプソン様の残り香をスゥッと吸い込んでたら、エレベーターを降りるタイミングを間違えた。
挟まっても、すぐに扉は開いてくれたんだけど、挟まるなんて はじめての経験でワタワタした。
ぐいっと引っ張られて抱き締められて、思わず背中にギュッと手を回してハッとなった。
頭の中がポワポワしてる。
くすくす笑われて、あとはどうやって持ち場に帰ったか覚えていなかった。
どうしよう。
トンプソン様を見かける度にドキドキする。
見つめられたら天にも登っちゃうくらい、危ない。
全身が燃えるように熱くなって、死んじゃいそうだ。
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