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次のステップ。
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寝て、起きて、一緒にご飯を食べた。
「ふふ、エドワード。」
お行儀悪いけど、ベッドの上で。
たくさん背中にクッション置いて。
「ホラ、コボシタ。」
あーんしてあげて、こぼしては拾う。
鶏そぼろがこぼれちゃうけど、あーんしたいし、あーんされたかった。
すぐにシンガポールに行ってしまう恋人に、たくさん甘えていたかったから。
「シンサク、美味イヨ。」
そう言って褒めてくれて、すごく嬉しかった。
「今ね、お母さんにお料理を習ってるの。エドワードのところに行ったとき、ちゃんとお料理作れるように。」
見上げる瞳は、真っ直ぐだ。
完全にノックアウトされた。
箸を置いて、唇を啄む。
好きすぎて、自分は馬鹿になっているようだ。
いつ頃、一緒に住めるだろうか。
早く連れて行きたい。
「シンサク、モウ少シ話セルヨウニナッタラ、シンガポールに連レテ行ク。」
「・・・はい!」
でも。
お母さんから、きちんと将来の話をしてきなさいって言われてきた。
「おれ、シンガポールに行って、何をしたらいいのかな・・・。」
頼りない自分の手を見つめた。
「もうちょっと話せたら、エドワードのお仕事手伝えますか?」
「・・・基本的ニ従業員同士ハ、英語デ話ヲシテイル。日常会話ガ出来ルヨウニ ナラナイト、仕事ハ出来ナイ。」
例えば、家で家政婦のように家事をして過ごせばいい。
そんな風に言ってあげれば、この子は気が済むのかもしれない。
だけれども、まだ18だ。
家に閉じこもっていたら、友人さえ出来ない。
のびのびとシンガポールの空の下で笑うシンサクの方が良かった。
「逆ニ言エバ、英語サエ出来レバ、何カ手伝ッテ貰ウコトハ出来ル。」
ぱぁあと笑顔が戻った。
「お役に立てるように、頑張って勉強します!」
ご褒美に、抱きしめた。
本当に可愛いこの恋人は、ワタシのものだ。
誰にも渡したくない。
「ふふ。エドワード、すき。」
暖かな体。
日本に帰ってきたと実感が湧く。
「 English、Basic Mathematics、Basic Science、Politics and Economics、Geography and Hisotory. 」
ひえぇ!!
「え、英語、理科?ヒストリーは歴史!・・・えぇと。」
English 英語
Basic Mathematics 数学基礎
Basic Science 理科基礎
Politics and Economics 政治・経済
Geography and Hisotory 地理歴史
せめて、高校生レベルになれば従業員同士の会話で馬鹿にされることはないだろう。
晋作を自分の目の届かない場所で働かせるつもりはなかった。
生活に慣れるまで。
せめて自分で働きたい仕事を見つけるまでは、手放すつもりはない。
「・・・ヤリタイ仕事ハアルカイ?」
「んー・・・。」
ホテルのお仕事は、多分向かないのかも。
でも、シンガポールのホテルでも桑原さんみたいな人、いてくれるかな・・・。
「桑原さんみたいに教えてくれる人がいないと、おれ、ホテルで働けないかも。」
エドワードの額に血管が浮いた。
「・・・教育係カイ?」
「アルバイトの人で、親切に色々と教えてくれるんです。社員さんより仕切れるの。」
頭に血が昇るのがわかる。
相手は子どもだ。
落ち着け、とエドワードは自分に言い聞かせた。
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