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果ての先に。
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常連の女将さんの髪を結っていると、スタッフからお客様だと伝言があった。
ちょうど仕上げの段階なので、お待ち頂くようにスタッフに伝えて、しっかりと整えた。
「今日もお綺麗です。」
「ふふ、ありがとう。」
ミラーで確認してもらい、お見送りをするために出口へ向かった。
お待たせしているお客様とは誰なのか、ソファに目線をやるとQちゃんが来ていた。
会釈をして、女将さんを送り出す。
もう会えないかと思っていた姿に、心が浮き立つのが分かった。
※ ※ ※
Ouranos(ウラノス)
少しだけ覗いて、入りにくそうなら出直そうと思って、名刺に書いてあった店舗のひとつに行ってみた。
女性フロアと男性フロアに別れた店舗らしく、ネットの書き込みでは、人の目線が気にならない落ち着けるお店だと高評価だった。
確かに、施術中はおデコを全開にされて、ラップ巻かれたりペタンコの髪になったりする。
男性と隣同士に座るのは、確かに気持ちが良いものではないのかもしれない。
男性からの書き込みもあった。
ゆったりとしたスペースで仕切りもあり、となりの人の目線も気にならない。
最近、その場で髪を洗うサロンも多くなってきたが、薄暗くヒーリングの音楽のかかった洗髪室は、リラックス効果が抜群で次回も行きたいと書いてあった。
へぇ。
ドリンクバーもある。
スタッフの写真も見つけた。
フロアが分かれているからか、たくさんの人が働いていた。
人を雇えば、人件費が増える。
それでもやっていけているということは、繁盛しているということだろう。
スタッフのプロフィールにも、勤続年数が書いてあったが、殆どお店のオープンからいるみたいだった。
よく分からないけど、信用できそうな気がしてきた。
そう思いながら、お店の入り口を覗き込んだ。
「いらっしゃいませ。」
あ!
見つかった。
こっそり覗いたのに、バチッと受付にいた女性と目が合った。
「えっと、山下さんはいらっしゃいますか?」
そして話は冒頭に戻る。
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