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急き立てる。
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眠りに落ちた光太郎の体を清めながら、大輔は湧き上がる感情を抑えきれずに、ぽつりともらした。
「愛してるよ。ずっと、一緒にいてくれ。」
こんなに人を愛することが出来るとは思っていなかった。
適当に抱き、適当に付き合い、あるいは、気持ちの赴くままに目標を落とし、飼い、捨ててきた。
きっと俺は地獄に堕ちるだろうと思っていた。
なのに、光太郎に出逢ってしまった。
地獄に堕ちたら、光太郎が死ぬ時に迎えに行くことが出来ない。
これからは、善行を重ねないとな。
あながち冗談ではなく、本気で思っていた。
明日、光太郎は大きな一歩を踏み出す。
ひとりで実家へ向かうのだ。
どうか、財津さん。
光太郎のその気持ちを受け止めてください。
どうか、奥さん。
心を開こうとし始めた光太郎を、迎えてあげてください。
震える足を運び歩もうとする彼は、出逢った頃よりも大きくなった。
心も体も、少しずつ大人になっていっている。
額にかかる前髪を撫でつけて微笑んだ。
頑張ったご褒美は、何が良いだろうか。
光太郎の好きなものを、何か買ってあげたい。
踏み出した記念に。
優しく頬を撫でた。
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