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抗えない
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萩野「……はーる。おいで。」
僕「………あっ……」
僕の体は萩野先輩のその声を聞いただけで動かなくなり、さらには俯いていた顔も上げることになってしまいました。
抗えない…………
僕の顔はきっと情けない事になっているに違いありません。ですが、僕の力ではどうすることもできませんでした。
萩野「………おいで。」
萩野先輩が念を押すように、ベンチで手を広げて囁きかけてきます。
僕は体を乗っ取られたかのように、フラフラと萩野先輩の元へ向かっていました。
自分の意思とは全く関係ないのに、気づいたら座っている萩野先輩の前まで来ていたのです。
萩野「ん。……いい子。」
萩野先輩は僕の頭を撫でながら、僕の体をさらに引き寄せました。
そのせいで、僕は前につんのめり、萩野先輩の太ももの上に乗る形になってしまいました……。
いわゆる向かいっこです…………
僕は恥ずかしくて恥ずかしてく顔から火が吹きそうでしたが、それでも萩野先輩はまだ甘い目で僕を見てきます。
萩野「はーる。手のやつ、くれないの?」
そして、萩野先輩は僕が隠していたものを追求してきました。
萩野先輩の意地悪なところは、無理やり出させるのではなく、あくまで僕の意思で出させるところです…………。
僕「ぁ………あぅ………、でも……これ、ダメ…」
僕はどうしてもベコベコになった缶コーヒーをあげたいとは思いませんでした。
僕はまだ後ろ手に缶コーヒーを隠しました。
萩野「うーん……、じゃあ、見せて?」
僕「………うーーー………見せるだけです………」
僕はこのままの体制で長くは耐えられないと思い、見せるだけならと、おずおずと手を前に持ってきました。
萩野「…何で2缶…?」
僕「あの…えっと….、広瀬先輩に萩野先輩はコーヒーが好きだって聞いて、でも…苦いのと甘いのとどっちが好きかわからなくて……」
萩野「………そっか、俺のために春はいっぱい考えてくれたんだね。ありがとう。」
僕「……うぅ……////……でも、結局…」
こんな凹ませてしまったのです。
全然格好がつきません……。
萩野「うーん。俺はこの春の気持ちがいっぱいこもったコーヒーが飲みたいんだけどなぁ…、それでもやっぱりダメ…?」
先輩ずるいです………。
あぅ………、そんな言い方されたらこれを渡したくなっちゃうじゃないですか……。
僕「ぅーーー…………。これ………萩野先輩に、飲んで欲しい、です………うーーー……。」
萩野「ふふふ、ありがとう。本当に嬉しいよ。」
結局僕が負けて、ベコベコの缶コーヒーを差し出しました。
それでも萩野先輩は本当に嬉しそうに受け取ってくれて、僕の方まで嬉しくなりました。
僕「えへへ……///萩野先輩にはいっぱいお世話になってるから……」
僕は思わずホニャホニャと笑ってしまいました。
萩野「………ゴフッ……ケホッ…。あーーーー。うん。うん。ありがとう。」
あれ……?何か変なこと言っちゃったかな……。
先輩ちょっとむせちゃったけど大丈夫かな?
広瀬「あーーー。ゔんっ。ねえ、君たち。僕の存在忘れてない??」
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