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そして、ついに修了式の前日となりました。
あれから僕はどうやって告白するのかを透くんと話し合い、結果的にこれまでのお礼を述べてから、気持ちを伝えるということに決めました。
僕の頭の中でずっと一連の流れをシミュレーションしてきました。
そして今僕は、ベットの上で携帯とにらめっこをしています………。
なぜなら、萩野先輩に明日のお誘いをするためです。
『こんばんは。突然すみません。明日の放課後お話があるので温室に来てもらえませんか。』
僕の携帯画面はずっとこれで止まっています。
というのも、僕の手が震えすぎてこのまま送信してしまって良いのかものすごく悩んでいるからです。
………文おかしくないよね………大丈夫だよね……
……これを送ったらもう後戻りできない………
僕はそう考えると、何度もやめようかと思ってしまいました。
楽しくて幸せだったあの日々が僕の一言で壊れてしまうなど、やっぱり耐えられそうにありません。
ですが、それに恐れて間近で先輩の恋愛風景を見る勇気も、僕にはありませんでした。
それくらいなら、僕の自己満足でもいいから、萩野先輩に僕の気持ちを知っていてもらいたいのです。
僕は改めて深呼吸をし、携帯画面を見直して送信ボタンを押しました。
…………あぁ……、送っちゃった……
僕はそそままポテッとベッドの上に仰向けになりました。
『わかった』
と、萩野先輩からの返信を見て、僕は眠りにつきました。
____________________________________
「えー、これにて修了式を終わります」
そんな教頭先生の言葉をポーッと聞きながら、僕は体育館から教室に帰りました。
そして教室で成績表を返されながら、僕は透くんとお話ししていました。
高橋「星野……頑張ってこい」
僕「うん、」
高橋「……なんだ、結構落ち着いてるな」
僕「………えへへ、なんかね、あんまり実感ないんだ。あんなに怖かったはずなんだけど……、、今日で最後なんだなぁって思って、ちゃんと萩野先輩とお話できるのが」
高橋「………、悔いのないようにな。俺、星野の気持ちその先輩に絶対伝わると思う。めいいっぱいやってこい。」
僕「うん、ありがとう」
僕は穏やかな気持ちで、修了式を終えました。
そして急いで教室を出て、中庭を抜け、温室に入り、萩野先輩がいつも座っているベンチに腰をかけて待ちました。
………いろんなことがあったなぁ、助けてもらって、ここで再開して、お名前聞いて、僕の悩みも聞いてもらって、助けてもらって…………、
連絡先まで知っちゃった………///
僕は今までのことを思い出しながら待ち続けました。
そして、時間が経つにつれ、僕の心もドキドキし始めました。さっきまで落ち着いていたのですがどんどん緊張してきてしまったのです。
しかし、少し経っても萩野先輩は現れません。
…………あれ?来ないな……もうどのクラスも終わってるはずなんだけど…
僕は少し外の様子を見てこようと、温室を出て、中庭へ続く小道へ向かいました。
そして、小道から中庭に抜けようとした時、誰かの話し声が聞こえてきたのです。
「…………私じゃダメですか」
………え、何……?こ、告白かな…?
「ごめんね」
あれ…………この声、は、萩野先輩………
そう、抜けようとしたら萩野先輩が女の人に中庭で告白されていたのです。
僕「………っ、そっ、か、僕だけじゃないんだ……修了式に告白なんて、みんな考えるよね…………」
僕は見てはいけない気がして、急いで身を隠しました。
………わ、これじゃ盗み聞きしてるみたいになっちゃう……!
そう思い、急いで元来た道を戻ろうとしたら、萩野先輩の聞こえてきた言葉に僕は動きを止めました。
萩野「ごめんね、俺、好きな人いるから」
僕「…………ぁ……、」
………す、好きな人………………
僕はその言葉を聞いた瞬間、あの女の先輩の姿を頭に思い浮かべてしまいました。
僕「………ひ……っ、な、泣いちゃダメ……っ」
僕は告白する前に泣いてしまいそうになり、急いでその場を去りました。
……あの女の人も萩野先輩にフラれてた。
ぼ、僕もおんなじ言葉を言われちゃうのかな…っ
す、すきなひとがいるって、言われちゃうのかな………っ
でも、どうしようもなくて、僕はまた温室で涙を堪えて萩野先輩を待つことしかできませんでした。
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