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穴場
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僕「…………うわぁ……っ、こんなところあったんですね」
りんご飴と焼きそばを両手に持った僕は萩野先輩に案内されて花火がよく見える穴場に来ていました。
屋台の並びの途中にある小道を抜けると、古びた神社がありました。
その神社は普段、花火大会の会場の反対側の大通りからこれるようになっているのですが、まさか会場の小道からも来れるようになっているとは知りませんでした。
そしてその神社の裏側に石段があり、そこに座ると木々の間からちょうど花火が見えるようになっているのです。
萩野「ふふ、いいところでしょう?ここは誰もこないから落ち着けるんだ」
僕「ほんとですね………、ここだけ別世界に来たみたいです」
萩野「……うん、2人っきり。」
……………うわ………っ///
僕「ち、ちが………っ、そんなつもりで言ったんじゃ………」
萩野「ふふ、わかってるよ……、とりあえずご飯先に食べようか」
僕「………はい……」
僕はからかわれながら、焼きそばを食べ始めました。
僕「………ん、結構美味しいです…!」
萩野「なんか、お祭りとかだと特別美味しく感じるよねぇ」
僕「わかります……っ、僕お祭りは行ったことあるんです」
萩野「あー……、花火がないお祭り結構あるもんね」
僕「はい、小さい頃はよく行ってました。」
たわいない話をしながら、僕たちはそれぞれ焼きそばを食べ終えました。
僕は続けてりんご飴を袋から取り出します。
僕「……ふふ、……美味しそう」
真っ赤に輝いた丸いりんご飴を目にすると、かぶりつきたい欲が出てきました。
僕「………ん、…っ、おっきぃ……」
ですがりんご飴は予想外に大きくて、結局小さくかじりつきました。
僕「…………ふあ………おいし……」
僕はその甘さとみずみずしさに思わず笑顔になりました。
けれど、僕がりんご飴を食べ始めてから萩野先輩の反応がありません。
僕「…………?先輩…?」
不思議に思い先輩の方を見ると、萩野先輩は顔を手で覆い隠していました。
萩野「………ごめん、今……煩悩と戦ってるから…」
僕「…………?……もしかして、りんご飴欲しかったですか……………?」
萩野「………いや……、ごめん………ほんとごめん…………」
しばらく先輩はブツブツと何かをつぶやいていました………。
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