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訪問
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萩野「……ほら、春ついたよ」
その声とともに、僕は顔をあげました。
そこには普通の一軒家よりはかなり大きな邸宅と言っていいものがたっていました。
僕はびっくりして、さっきまでの熱が少しずつ引いていくのを感じました。
僕「…………大きいですね………」
萩野「うーん……、多分ね……………。うちの親基本的に家にいないからいつでもきて大丈夫だよ。」
何が大丈夫なのかは聞きませんでしたが、ご両親がいないと言う言葉に僕は無意識に眉を下げてしまっていたのでしょう。
犀夜さんは僕の頭を撫でてまた、「大丈夫だよ」と言いました。
萩野「家にいないって言ってもほとんど仕事で海外に行っているだけだし、愛情がないなんてことはないからね」
僕「……そうなんですね」
僕はその言葉を聞いて安心しました。
………そりゃあそうだよね。犀夜さんがこんなにいい人なんだからお父さんお母さんもきっと立派な人なんだろうなぁ………
僕は凄く美人なお母さんと、ハンサムなお父さんを想像しました。
…………うふふ…、犀夜さんもきっとハンサムな大人になるんだろうなぁ………
僕は犀夜さんのお家の前で場違いなことを考えていました。
萩野「とりあえず、入ろうか」
犀夜さんのその声で、僕はハッと意識を戻しました。
僕「……お、おお、お邪魔します………」
犀夜さんに促される形で家の中へと入りました。
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萩野「ここが俺の部屋だから、ここでちょっと待っててね。ジュースとか持ってくるから」
僕「………は、ははははい…っ!」
僕は初めて見る犀夜さんのお部屋にガチガチに緊張してしまっていました。
…………パタンと扉の閉まる音がして、僕はため息をつきました。
………ふぅ………、僕ってばなんて失態を犯してしまったんだろう…………
あ、あんな…、学校の前であんな………!
うぅぅ〜……と、僕は部屋の真ん中で顔を手で覆いました。
よくよく考えると普通じゃありえない行動に熱くなった顔をパタパタと手で仰ぎながら、ふと周りを見渡してみました。
犀夜さんのお部屋は、物が少なく、必要最低限の物しかありませんでした。
机とテーブルと椅子に、本棚と収納棚の上にテレビがあるだけでした。
………わ……っ、テレビがある……。
いいなぁ…、僕のお部屋にはテレビ無いから…………………って、こ、こんなに人のお部屋を見るのって失礼だよねっ……
僕はキョロキョロと周りを見渡していることに気づき、また顔を手で覆いました。
萩野「………春…、そんなところで何してるの…」
声とともに飲み物を持った犀夜さんが現れました。
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