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02-08
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ずっと撫でていたら目が覚めてしまったらしくて、狼はバッ、っと顔を上げてきょろきょろと周りを見だした。そんで俺って分かったら分かりやすく一気に気分が下がると来たもんだ。悪かったな、俺で。
その反応の差が悔しくて、仕返し半分でブラコンって言えば、狼君は怒りを露にさせる。
何も知らない癖に、と。知ったような口を利くなと。どうやらお兄さんのことが好きでもそれがイコールブラコンって恒等式は認めてないらしい。…と、言うかこれは小馬鹿にされてるようで嫌だって感じかなぁ。別に俺馬鹿にして言った訳じゃあなかったんだけどな。ちょっと意地悪はしたけど。それが駄目だった?
前髪から覗く、殺気が籠った普段よりも冷たい目。これ気抜いたらこいつの目に呑まれるなって思うと戦慄が走った。が、その裏腹でこの現状を楽しむ自分もいた。
もうここまで来たらこいつの前で教師面しなくても良いやって、仮面を放り投げた。ちょっとどんな反応するのか気になったのもあって、素で話したら期待通りって言うか。目をまん丸くさせた。マジでこいつの全部の反応が一々俺のドツボと言うか何というか。
魔咲と恋人なのは否定された。あの距離で?って信じられなかったが態度からして本当らしい。それじゃあ多分セフレか、それ以上で恋人未満。そんな関係だろう。恋人だと思っていたからちょっとだけに済ますつもりだった。でも、そうじゃあないなら。
昨日よりもこいつの色んな顔を見たいって思いは強くなってて、色々と試したい衝動に駆られた。その欲を抑えることが出来なかった。本気で嫌がれば止めるつもりで、押し倒した。
「っひ…ぁぅ…ぅ、」
膝で狼君のを揉んでやれば気持ち良さそうに声を漏らす。声を抑えていたからあまり聞こえなかったけど、あの可愛い声を必死で抑えているんだろうと思うと俺を昂らせる材料でしかなかった。許容範囲外の年齢差なんて気にならないどころか、この状況に興奮すらしている自分がいた。
――て言うか、俺たったこれだけでこんなに興奮したことあったっけ?
でも、そうやって余裕でいられたのは最初だけ。暴れないように手を押さえつけていたんだけど、やっぱりこいつは馬鹿力で、全体重かけてないと今にも抜け出しそう。本当、大した奴だと思う。大人の俺と力を入れにくい体勢で互角なんだから。"最恐"の名は伊達じゃないね。
お前の力が俺よりも強いことは認める。でもごめんね。俺って屑だから。そう、心の中で謝罪して、ずっと押さえとける自信なんてないから、まだ腕が疲れてなくて余裕が残ってる時に狼城のネクタイで苦戦しながらも腕を縛った。
やっと手が自由になって、反対に拘束されてる狼城が俺を睨んでくる。実際はそんなにこいつの目は見えないけど、雰囲気がそうだった。狼ってよりは大型犬に警戒する小型犬って感じで可愛かったけど。俺にとっては。
最初よりも膝で押す力を強くしてみたんだけど気持ち良さそうで、ビク、と時々体を震わせる。その間隔はちょっとずつ短くなっていって、それに伴って狼城は慌てだした。
「イきそう?」
そう、聞くと唇を強く噛み締めた。多分図星。成程、この狼は嘘が吐けないタイプならしかった。
ちょっと強くやっても感じる。痛がる素振りを見せない。Mっ気有り。それプラス嘘が吐けない。ますます俺の好みだと思った。
―んー…?マジで何個あるんだこれ―
狼城が抵抗して揺れる時それに合わせて髪も揺れ動いて、その隙間からピアスの数を数えてみたんだけど、見えなさ過ぎて分からない。見えたのは7個。ちょっとの面積でこれならもっとしてるのかも。俺はピアスはやりたくない派の人間だからどうしてこんなに付けてんのか理解出来ないし、いつもしてる奴見てたら気分悪くなる位なんだけど、こいつのは気になった。自分がそれに一番驚いていた。
数を確かめたくなって、髪をどかしてみたら俺が想像していた以上のピアスの数。左耳だけで8個あった。量がえぐい。これが右耳にもあるんだろ?んで他には顔だろ?髪の下どうなってんだこいつ。凄ぇもん見た気分になった。
「…つけてねぇのもあるけど安定してんのは――」
興味本意で他にどこにつけているのか聞いてみた。最初は答えなかったけど、何度も問えば諦めたのか連々とピアスホールのある場所を言っていった。
アイブロウにアンチアイブロウ。それからブリッジに唇と舌に数ヵ所。そしてニップルにネイブルエトセトラ。まだまだ続きそうで頭が痛くなって、止めさせた。
それは俺の想像を遥かに超えていて、数が異常だった。大人でそう言った趣味の奴はちらほら居るけど、そんな奴殆どいないし、ましてやこいつが開けたのは中学の時だ。その大きな差があった。それに殆ど自分で開けていると言う。これだけの数を恐らく軟膏だけで、ちゃんとした所でせずニードルで。
本人は自傷癖を否定しているが明らかにこれは自傷行為じゃあないか。「安定しているの"は"」、狼城はそう言った。つまりそれは塞がったのもあるってこと。俺が止めに入ったまでに挙げていたホールの数よりも多く開けていて、頻度で考えたら有り得ない早さになる気がする。そう考えると、趣味で開けてる、って言うにはやり過ぎな気もした。次のホールを開ける感覚が長ければそう思っていなかったんだと思う。
そう一度考えてしまったら、こいつのことが心配になってこれ以上続ける気にもなれなくて、ネクタイを解いていた。
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