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03-10
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「…ふ、がっちがち。もうイきそ?」
「ぅ、あ…っ、~ん、ぁ…っ!も、ゃ…め……っ!!」
「ここで止める訳ないじゃん?」
俺がどれだけ反応してしまっているかなんて、自分のことなんだから俺が一番良く分かっている。なのにこいつと来たら態々俺に知らせてくる。口だけならまだ優しくて、性格が悪いことに手でむにむにと触って来た。
こいつの手で、足で。どんどん俺は追い詰められていく。そうなればなる程椿は機嫌を良くし、耳元で「かぁわいいね」だの「きもちい?イきそ?」だのと認めたくない事実を突きつけてくる。知らない、こんなの。だって、俺こんな風に愁に言われたことない。こんな、羞恥を煽る様なこと愁は言わない。
「……っは、最高、お前。――まぁ、目見えねぇのがちょっと寂しいけど」
「ぅ、あ…っ?ん゛……っ、」
するりと椿に頬を撫でられる。その直後、突然視界が明るくなって、激しい明暗の変化に目の奥が痛くなって目を細める。前髪がどけられ心なしか椿の顔が良く見えるようになった気がする。やっぱこいつの顔は凄ぇ整っていて、こんな性格でも無ければ恋人作り放題だっただろうなと思ってしまう。多分染めている薄めの茶髪もこいつの顔立ちに合っていて、分厚い唇も、垂れ目も。そのバランスはモデルでいてもおかしくない筈だ。そんな奴が教師なのは不思議でならないが、それよりも今は理解しがたいものがあった。
―何だよ、その顔……―
そのお綺麗な顔で目をぱちくりさせ、何やら物凄く驚いている目の前の男。一体何に驚いているのやら。
「……あー、やっばい、ね。…もっと、目つき悪いんだろうなとか、眉なしなんだろうな、とか…そう言うの覚悟してたんだけど」
「…………あ゛??」
聞いてみりゃあなんだそりゃ。「目つき悪い、眉無し」って話の流れからして俺に向かって言っているのは間違いない。つまり俺はこいつに、たった今馬鹿にされったって思っても良いんだよな?想像よりも俺の顔が酷かったてか。悪かったな。お前の顔を基準にされても困る。
「"これ"で最恐とか言われちゃうんだから世も末だよな。…あー、反則じゃんこれ……」
「…はぁ?馬鹿にしてンのか」
俺の顔面が反則級に期待外れってもうそれ悪口じゃねぇか。流石に俺だって傷付くぞ。
「えンろい顔」
「ぇろ……?」
「…ずっるい」
こいつから見てかなり酷いらしい俺の顔は「えろい」と形容された。えろいって、どう言う意味だっけ。悪口だっけか。否、酷い顔を『えろい』とは言わないだろ。そう言うフェチズムならまだしも。…あ、こいつもしかして、もしかしての。まじでそう言う顔が好みなのか?これを、何て言うんだっけ。ええと、愁が言っていた。
「『ぶすせん』?」
「……はぁ?『ブス専』?え、俺また意味分からないレッテル貼られた??」
乏しいボキャブラリーから捻りだしたその単語を聞いて椿は、Mだと勘違いされた時以上に嫌な顔をした。止めてくれよと目が俺に訴えかけている。 何だ、違うのか。じゃあ、こいつが今まで言っていたことってどう言う意味なんだろう。だって、出だし完全に俺馬鹿にしてなかったか?決して褒め言葉では無かったよな?
「……俺、眉毛あるけど」
「え、まゆげ?」
ちょっともやもやして納得いかないから椿に取り敢えず眉無しであることは否定した。そうしたら「何言ってんだ?」って感じにきょとーんってしやがる。どうも何もお前が先自分で言っていたことじゃねぇか。そう言う意を込めて睨みつけると、やっと思い出したらしい。
「…あ、もしかして。馬鹿にされたとか思ったの?」
「……それ以外、何があるんだ」
「っふ、はは…っ、はははは……っ!!」
「……っは?」
俺の思っていることが通じたまでは良かった。が、椿は理解した途端どう言う訳か声に出して笑いだした。今までの気持ち悪いものとも、サディスティックなものでも、ほわわんってした奴でも無く。俺が先謝った時同様に面白おかしく笑うそいつ。整った顔をくしゃくしゃにして。一体何がこいつに人間味のある表情をさせたのか俺にはさっぱりだ。……でも、もしかしなくてもこれって、俺の発言がこいつの壺に入ったんだよ、な?
「は…、ほんと調子狂うな。何年ぶりだよ、こんな笑うの……」
「…む、」
「やっぱ、良いよお前。そう言うとこが好きだ」
こてん、と俺の肩に頭を乗せて何やらまた訳の分からないことを言いだした。俺は別にこいつの調子を狂わす為に言った訳でもなく、笑かしてやろうと思った訳でもなく。ただ馬鹿にされた言い方が気に食わなかっただけ、なのに。もしかしなくても笑いの沸点低過ぎか?否、でも爆笑したの数年ぶりって言っているし…。
「別に馬鹿にした訳じゃないからな?ただ、不良って言ったらさ、何かこう…厳つい奴?連想するじゃん?最恐って言われてんだからもっと怖いのかなぁ…って思ってたんだけど、そうじゃなかったなってだけ。そこまで深い意味はない」
笑いが収まって来たらしい椿は新たに生まれた俺の不満には気付かないまま、先の発言の意図を説明しだした。「厳つい」と不良を表現し、垂れている目じりを指で持ち上げる。これは、「目つきが悪い」って奴か?
「…っふ、ンだよそれ……」
目つきが悪いとか、眉無しがイコール不良っぽそうって、一世代前の不良漫画でありそうな設定だ。そんで何よりこいつが目を吊り上げる仕草をしたことが不覚にもちょびっとだけ面白くて。あの『椿先生』じゃあ考えられない言動って言うか。屑だとも思っていたが、それとはまた別の一面を見てしまったというか。こいつの素ってかなり、感情豊か…だよなぁ。
「……何で笑うの」
「や、どんな偏見だよ…、って。ふは……っ、」
俺が笑うとむ、って唇を少し尖らせて。それを見てまた笑っちまった。変な、感じだった。こいつのことは嫌いだけれど、それでもこいつの人間らしいところを見て、楽しくって。笑ったのって、俺も俺でいつぶりだっけ。そもそも愁や兄貴と過ごす時間を除いてしまったら、楽しいって思う時間今まであったっけ。
「もう…。笑ってるとこも可愛いし、俺への警戒薄れてくれたみたいで嬉しいんだけど…さ」
「……ぅあ…っ?」
「そろそろ、"続き"させてくんねぇ?」
笑いが止まらない俺に不満そうだった椿が、また今度は別の意味を含んだむっすり顔をして、強調して言った「続き」を急かしてきた。こいつの手は俺の尻に触れていて、変な触り方で揉んでくる。その、意味が分からない程鈍くはない。と言うか、ゆさゆさと再び揺れ始めたこいつの脚が、良い証拠だろう。
懲りねぇ奴だと、まず思った。そして次にこいつの執着恐ろしいなとも。完全に、そう言う雰囲気じゃあ無くなった筈だ。否、こんな言い方まるで俺が受け入れていたって誤解を招きそうなんだがそれは置いといて。兎に角「続き」を持ち出す流れであったと言うよりかは、強引に持ってこられたと言うか。
「っざけンな…!!良い加減に、しろ……っ!」
「お仕置きだから俺が良いって言うまで止めない」
「……っはぁ…?!」
全くもって訳が分からない。今までにも何度か言っているけど「お仕置き」って何なんだ。それが意味するものを俺は果たしてされてきたのだろうか。ていうかこいつが俺にしてきている行為を"お仕置き"とカウントしても良いものなんだろうか。もうそれってつまり嫌がらせの域に入ってねぇか?あれ、そもそも俺こいつに仕置き受ける様なことをしたっけか。そうだとしたらこいつの方が俺にやってんじゃねぇのか。色々と、突っ込みたいことはあった。
まぁ、要は何が言いたいかって、『椿涼は糞野郎で理不尽の塊』ってことで。こいつは皆が思い描く理想の王子様なんてものではなく、ただの脳内コスモ野郎だ。それなら、ぶっ飛んでいて5割もこいつの言うこと理解出来ないのは仕方ない。…否、現状は仕方ないで済ませられないんだが。
「……つーか、一回抜かないとお前も無理だろ?」
「~っ、ち、が……!」
ズボンの中で張り詰めている俺のを、椿が撫でる。確かに、このまま人前に出る訳にはいかないが、まるでそれが行為を続行する理由みたいに言うのは違うんじゃあないのか。やはりこいつの根本にあるのは俺をからかって楽しいって言う屑思考…なんじゃあないか。
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