アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
03-12
-
「……訳分かんねぇよ、俺に告ってきながら"嫌われる"ように仕向けて」
試されている気分だった。俺がこいつに何処までなら今みたいに殴らないか。マジで怒らないか。こいつの好きって気持ち、何処まで俺が信じてんのか。正直嫌いな奴が俺を好きでいようと嫌いでいようと興味無いし、元から俺はこいつにかなり怒っている気がするんだけど、そう思わせるほどの豹変っぷりが胸糞悪かった。
「…少なくとも、俺は。"てめェに嘘吐く"お前は、大嫌いだ……!!!」
そう、嫌いだ。いつものこいつ以上に、大嫌いだ。今のこいつは、他の奴と"同じ"顔をしてやがる。兄貴や愁と同じ、優しい表情を浮かべたこいつとは程遠い。こいつが何考えているのかなんて俺には全くもって分からない。分かろうとも思わない。でも、多分。この胸のもやもやは。
―結局、意味も分からず"同じ"になっちまったこいつへの腹立たしさが、一番占めていて……―
こいつが本心から俺を好きだと言った後だったから、皆とは"違う"と思った後だったから。少し"悲しく"も、あったんだ。
「…っく、そ。ンだよ、いきなり握ってきやがって…。糞痛ぇし……」
俺がこれだけ言ったって、口だけは良く回る糞野郎が今までみたいに何も言い返してこない。何だかこれ以上"他人"に文句言うのも馬鹿らしくなってきて、椿から手を離して転がっていたベルトを拾った。こいつに握られたせいでまだズキズキと痛む。まぁ、唯一の救いは潰れるくらいに握り締められなかったこと位か。あんなんされたら殴る所の話じゃなかった。
「……ぁ……っ?!!」
ベルト締めてこのまま椿置いて立ち去ろうとしたら、ぐいっと、ぐいっと。思いっ切り後ろに引っ張られてバランスを崩した。何かつい先にも同じことがあった気がするが、今度はきちんと尻もちついてじんじんと尻が痛んだ。
「てっめ、何し…っ゛てぇ……」
「…あ、ごめん。強く引っ張り過ぎた」
自分でもまさか尻もちでこんな激痛走るとは思って無くて、まさか骨が逝ってるんじゃないかと不安になる臀部を擦りながら、俺に尻もちつかせた張本人をキッと睨みつけた。そうしたら、睨んだ俺が馬鹿らしくなる位あっさりと謝られて。最初はこれも「こんなんでよろけてんの?」って嫌味かとも思ったんだけど、本当に申し訳なく思っているらしく、眉を下げてそわそわと俺が擦る尻の安否を気にかけている。
「……ごめん」
また数分後。尻の痛みが引いてきた頃にまた椿は謝って来た。それが先の謝罪とはまた別のことに対してであると何となく感じ取りはしたが、俺はそれでも敢えて「何が」と問うた。一発しか入れてないんだからこの位の仕返しは、許されても良い気がする。
「…………ちんこ握って」
「……はぁ?否、うん…」
けど、これはこれで予想外だったって言うか。俺はてっきり先までの態度を謝ってくるのかと思ったんだけど。まぁ確かに一番被害を被ったのは俺のですけど。まだ少し痛いぞ。
「あー…、もう。駄目だね。ちょっと、余裕ないや。まぁ先のは好きな子に全然振り向いてもらえない俺の、振り向いてもらいたいが為の意地悪だと思って?」
「…はっ?」
次に俺に視線を向けた時にはもう先までの曇った表情と打って変わって、眩しい位の屑全開の笑顔だった。俺のが犠牲になって?あれを悪戯だというのかこいつは。否それは無理があるだろう。悪戯で死にかけたら敵わねぇよ。好きな子に悪戯したい男子の心理ってか?五月蠅ぇよ。小学生かお前は。でも、相変わらず糞腹立つ顔だけど、戻って来たその表情に変な安心感を胸の隅で感じている俺がいた。
「ぁん……っ?!て…め…!!」
痛みを感じている股間を今度は、むにゅんと緩く揉まれ変な声が出てしまった。この時俺は完全に気が抜けていた。元に戻ったイコールコスモ野郎に戻るってことを忘れていた。さっさと逃げてしまえば良かったと、後悔した。
「ン…っ、ぁ、っども何度もしつけ、ぇ…!!」
「萎えてる」
「あたり前だろ……?!!」
お陰様ですっかり収まりましたよ。ていうかあんだけの痛みで萎えない訳が無い。だからもう触らないで欲しい。否、そんなことよりも本当しつこい。こいつが「振り向かせたくて悪戯した」ことに"したかった"ことが本当にそうかは分からないが、少なからずそう言う所はありそうだなと思った。要約すると、こいつ王子様どころか屑野郎でもなく小学生?否俺もこんなでかい小学生嫌だけどさ。
「ん…っ、も、触んな…!!!」
「ふ、何で?ちょっと触っただけでまた硬くなってきた。やっぱ一回抜いた方が良いんじゃない?」
コスモ野郎になったらなったで達者な口が腹立たしい。すっかり元通りになった椿は、俺が睨めばこれまたムカつく位良い笑顔を返してきて。椿の腕を掴んで抵抗するもこいつの手の動きを封じることは出来ない。そんなこいつを見ていると、先のが俺の夢だったんじゃないかという錯覚さえ生まれてくる。
またなったとこいつは言うけれど、それには少しばかりか語弊があるように思う。お前が触らなかったら反応しなかった訳で、何にも問題はなかった。それをまるで俺が悪いみたいに言いやがって。どうやらこいつは他人に責任を擦り付けるのが上手いらしい。
「ひぁ、ぅ…っ、…っぇ、な…?!っざけ、んな……っぁ!!!」
ふるりとズボンの中で震える俺のをカリカリと指で引っ掻かれ、お腹の下の辺りがぞくぞくとした。肩が跳ねた俺を見て椿はクスリと笑いながら、今度は何かを探るようにズボンに指を這わせる。そして、布の重なりに指を潜らせると、ヂヂヂ……と何とも表現し難い音が鳴る。その音の正体に気付いて下を向いた時には時既に遅く。音の正体――ズボンのジッパーを下ろされただけでなく、ボタンすら外されていてオープンになったそこからは他人に見せるようなものでは決してない下着が覗いていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 38